まことのサックスが聞けなくなる | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

昨日朝、facebookを開いたとたん、「平原まこと」さんのページが現れた。始めの数行を読んで、驚いた。ことばをなくした。

娘の綾香さんが、父まことさんが亡くなったことを記していたのだ。

その全文を引用します。

 

日頃より平原まことを応援していただき

心から感謝を申し上げます。

マルチサックスプレイヤー 平原まことは

2021年11月26日(金)

午前 1:40 旅立ちました。

胃癌でした。いろんなたくさんの山を

なんとか乗り越え、闘病を続けていました。

再来年の50周年を目標にしていました。

とても大変な状況にもかかわらず

父は一度も弱音を吐きませんでした。

そのかわり、常に私たちを笑わせてくれました。

私は、物心ついた頃から父のサックスを聴いていました。

あのサックスの音は、父の“声”だと思いこんでいました。

父はソロプレイヤーだけでなく、昔から数々のアーティストたちの

サポートもさせていただいていたので

私がデビューしてからは、現場に行くたび偉大な先輩方が娘の私に

「パパによろしくね!」と声をかけてくださることが多く

娘ながら、たくさんの方々に愛していただいているなと

父を誇らしく思っていました。

愛してくれたアーティストのみなさん

父と共に奏でた最高の音楽仲間たち、大切な友人

あたたかいファンのみなさん

応援してくださったすべての方々に感謝の気持ちでいっぱいです。

チャリティーコンサートを開催した時はいつも

出演費だけでなく、自分の作品の売り上げもすべて寄付していた父。

募金箱を持って、長い時間ロビーに立ってくれて

お客様の優しさに涙を流していた本当に心の優しい人でした。

父は、私にとってサックスの師匠であり

私の歌のルーツであり、最愛で、最高の父でした。

まだ実感がありません。ずっと心の中に父が生きています。

私は、父のサックスが大好きです。そして、父の音楽が大好きです。

これからも、父がのこしてくれた音楽を聴き続け

教えてもらったことを大切にしていきます。

父が表現してきた音楽の真髄に手を伸ばし、たくさん勉強し

いつか掴み取りたいと思います。

そして、いつか、平原まことのような音楽家になります。

あの父のサックスを、もう一度聴きたかったです。

もっともっと、みなさんにお届けしたかったです。

どうかみなさま

平原まことの事を、そして平原まことのサックスを

ずっと忘れないでくださいね。

大変なご時世を考慮し、家族だけのお別れ会とさせていただきますが

状況を考慮しながら、今後は

平原まことのメモリアルコンサートを開催したいと考えています。

お世話になった音楽仲間のみなさん、引き続き力を貸してください。

そして、ファンの皆様と一緒に

父の人生を抱きしめたいと思います。

これからもまことパパが大好きです。

2021年11月26日(金) 平原綾香

 

 

ボクもタイムラインに書き込んだ。

2015年6月21日。ボクのトークライブにゲストで来てくださった日のことを紹介しつつ、「この夜のこと、ずっと忘れません。まことを尽くした人生に敬意を表します」と書いた。

本当に名前の如く、何事にも「誠」を貫いた人生だったと思う。

これぞ「真」のと思わせるサックスの演奏はもとより、家族への「誠」、

仲間付き合いへの「誠」…。誠心誠意の生き方が、多くの人から慕われたゆえんだろう。

 

6年前、トークライブへの出演をお願いしたときも快諾してくださり、

まことさんのお声がけのおかげで、100人を超える満席となった。

打ち合わせでご自宅に伺ったときも、用賀駅まで送迎してくださった。

ご自宅も「アットホーム」な空気に満ち溢れていた。平原ファミリーの仲睦まじい様子がひしひしと伝わった。打ち合わせを忘れ、家族団らんの輪に入れてもらったような気持ちになれた。

ボクの2015年6月21日のブログも全文掲載し、平原まことさんを追悼したい。

 

これぞ、絶品!絶賛!まことのサックス!

その通りの演奏だった。

テナーサックス、アルトサックス、クラリネット・・・

次々持ちかえての演奏。

身体中に沁み渡る音色を聞いていると、

ほんわかあったかくやさしい気持ちになれる。

 

今夜のトークライブのゲストは、

マルチサックスプレーヤーの平原まことさん。

父は、トランペッターの平原勉さん。

娘2人もサックスをこなす音楽一家。

マネイジメントは、妻の真理子さんが担当。

まあ、とにかく仲のいい家族だ。

真理子さんの集客力はすごい。あっと言う間に満席になった。

本番前、まことさんに特別のおまじないをしてあげていた。

長女の愛花さんも、リハーサルから、ずっと父を見守っていた。

次女の綾香さんも、コンサート会場から打ち上げ中に立ち寄ってくれた。

2人の娘から敬愛されて、目尻がかなり下がっている。

そういえば、父の日だ。

 

「音」は、もともと平面。まことさんは、それを立体にしたいと思う。

聴いた瞬間に涙がでるような音。

ただきれいなだけではなくて人間の臭みや雑味、苦味といった

人間の中味が見えるような音楽を作りたい。

心の中の音を表現したい。

「音の立体化」…それこそが、まことさんが目指しているもの。

まことさんが、ひとたびサックスに息を吹き込むと、

音符たちが喜び勇んで踊り出す。

それは、まさに音が立体になる瞬間だ。

まことの音が、心に入る瞬間だ。

 

(妻の真理子さん、長女の愛花さんと)

楽屋でくつろぐ仲良し父娘