クラブハウスの中で、ちょっとしたブームになっていることが、
「膝枕」を読むことだ。
声優やアナウンサーはもとより、朗読の専門家でない人まで、
我も我もと手を挙げる。
脚本家の今井雅子さんの創作。
いささかエロティック。いささかホラー。めちゃくちゃ面白い。
人工知能搭載の「箱入り娘膝枕」が、宅配便で届くところから、
物語は始まる。
通販で注文した独身男は、本物そっくりの柔肌の膝に、すっかり溺れる。箱入り娘膝に話しかけるうちに、話術が磨かれ、男にまさかのモテ期が到来。生身の膝枕の味を知った男は、二股をかけたあげく、箱入り娘を捨ててしまう。ところが、思いもかけない反撃に合う…。
これが「正調膝枕」。単身赴任膝枕、おばあちゃん膝枕、バイリンガル膝枕など外伝が60くらい誕生している。
ボクも恐る恐る手を挙げた。
そのくせ、膝番号100がいいと、ダダをこねた。
読んだ順に、膝番号がもらえるのだ。
5月31日に膝番号1が誕生して以来、ついに100人目の栄誉を担えた。11月11日のことだった。
黙読1回だけ。声に出しての下読みなしのぶっつけで臨んだ。
得意の行き当たりバッチリ。
だが、読みながら、のめり込んでいった。
男の心の移ろい、意志を持った膝枕、思わぬ展開…
読者の気分でワクワクしながら朗読した。
正調以外の朗読、ラジオDJ膝枕の執筆…妄想が膨らむ。