アルビノ | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

寡聞にして、「アルビノ」のことを知らなかった。

アルビノとは、遺伝子疾患で先天性のものだ。白皮症、色素欠乏症などと呼ばれる。皮膚がんのリスクも高い。海外では差別や迫害を受けるケースもあるそうだ。動物や植物にも発生する。

 

このたびユニバーサルマナー検定『つながるUM』に参加して、武田陽祐さんの話を聴けて、本当によかった。時折、ユーモアを交えての穏やかな語り口に好感を抱いた。自分の症状を客観視しながら解説する様子に、アルビノと「共に生きる覚悟」を感じた。

武田さんは、メラニンの欠乏で、先天的に体毛や皮膚が白い。眼球にも光の屈折異常がある。紫外線から身体を守れないので、日焼けしやすい。弱視なので身体障害者手帳を持っている。武田さんの妹さんもアルビノだそうだ。

幼い頃「なんで白いのー」と囃し立てられたことがある。だから、5歳から髪を黒く染めていた。日本人は視覚情報に頼り過ぎのところがある。見た目で判断することが多い。右利きもいれば左利きもいるのと同じように、皮膚の色も様々であっていいはず。だが、なかなか「みんなちがってみんないい」とはいかないものだ。

 

ボク自身も「魚鱗癬」といって、冬場になると、肌がカサカサの「サメ肌」のようになる。小学生の頃は、それを隠すように、半ズボンに長靴下を履いていて、冷やかされたことがある。違うことが「個性」と思えるまでには、自分の考え方一つとは言いつつ、周囲の環境も大きい。

武田さんは、高校生のとき、佳き仲間に巡り合えて、「目立つことは覚えてもらいやすくプラスのことなんだ」と発想を転換出来た。黒に染めるのもやめた。

武田さんが大阪に行ったとき「お兄ちゃん、キレイな髪してるなぁ」と話しかけられたことがあるそうだ。

違う目で見たり、目を逸らしたりするより、こうしてオープンにしてもらう方が気が楽だったという。この大阪のオッチャンとのやりとりに、ユニバーサルマナーの鍵がありそうな気がする。

 

(武田さんのfacebookから)