変化を楽しめたら人生の名人 | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

境野勝悟さんの元気なお姿を久しぶりに拝見した。

「月刊致知」八月号の表紙を飾られたのだ。

ことあるごとに、境野塾に通い、薫陶を受けていたが、

コロナ禍で、もう1年半ほどお目にかかっていない。

お写真でだが、89歳の今も矍鑠たる姿を拝し、安堵した。

 

巻頭を飾る能楽師の安田登さんとの対談。

含蓄ある言葉の宝庫だった。

境野さんは、「無心とは何か」を知るために、

禅や東洋思想を学んできたという。

良寛の言う「花無心にして蝶を招く」…

この境地を考え続けてきた。

分け隔てない優しくおおらかで温かい心でこそ、

蝶を招くことが出来るのではないか…。

 

古典文学は、言葉の宝庫だ。

「『枕草子』『方丈記』『奥の細道』を読むと、変わっていくものの中に味わうべきもの、心を動かすものを見つけて生きていけばいいという思いに駆られる」と、境野さんは言う。

花を観賞するのは、芽吹き、一分咲き、五分咲き、満開、散り際という

変化を鑑賞することでもある。変化を楽しむことが出来たら人生の名人だ。

 

道元禅師の言葉「愛語よく廻天の力あり」。

愛のある言葉には、人を動かす力がある。

先人達人たちの言葉には傾聴に値するものが多い。

 

(境野さん           安田さん)