絶対に怒らないバレーボール大会 | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

バレーボールの世界で、言わずと知れた益子直美さん。

引退後もマルチな活躍をしている。

彼女との初対面はNHKラジオ年末特番。

開口一番、ボクが「マスコミナオミさん~!」と言ってしまい、

益子さんの失笑を買い、益子さんの記憶に残る事態となった。

その甲斐あってか、以来、仲良くしてもらっている。

クラブハウス「ことば湯」のゲストスピーカーにも

気楽に来ていただいた。

 

高校時代に全日本代表入り。

共栄学園、イトーヨーカドーでエースアタッカーとして活躍し、

下町のマコちゃんは、80年代後半から90年代前半の女子バレー界を席巻した。

だが、実際は、トスをあげてほしくないと思うほど、試合が怖くて怖くてネガティブな選手だった。怒られてばかりいたからだ。怒られるたびに、委縮し、自信をなくした。

「怒る指導」は、答えを考えさせないことになる。心技体の成長を阻むことになる。怒られるからミスを恐れてチャレンジが出来なくなる。

 

いま、益子さんは、

「益子直美カップ小学生バレーボール大会」を主宰している。

ルールは、指導者が絶対に怒らないこと。

バレーボールの指導者に、「怒らない」指導をしている。

怒鳴り声はもとより、怖い顔したまま黙りこくるのはNG。

腕を組んだり、ふんぞり返ったり、貧乏ゆすりしたりもNG。

監督がルール違反をすると、監督の口にバッテンのついたマスクをつける。監督は苦笑いしておとなしくなる。

 

一方通行の指導をする「ティーチング」でなく、「コーチング」にならないといけない。目先の勝利だけでなく、子どもたちに将来どんな大人になってほしいか、どんな人間性を養うか、ビジョンを持って指導してほしい。子どもたちが自分で考えて行動するよう配慮してほしい。

横と比べず縦と比べるようにしたらいい。

他の人と比べる「横」ではなく、

過去の自分と比べて成長を褒める「縦」を重視したらいい。

 

(夫の山本雅道さんと 2014年2月)