『美人の日本語』とは、うまいネーミングだ。
30万部のベストセラーになった大きな要因はタイトルだろう。
名は体を表すというが、美しいことば選びを心がけていたら、
心が磨かれる。内面が磨かれたら、外見もしかりである。
だから、この本読んで、内面外面を美しくと思ったのだろう。
『美人の日本語』の著者、山下景子さんは、神戸在住。
母方の祖母の影響で、読書好きになった。特に古典がお気に入り。
ピアノの渡辺久美子先生のおかげで作詞作曲をするようになった。
読書で培った「ことばの引き出し」から、ことばを紡ぎ出し、メロディーをつけた。NHK『あなたのメロディー』に4曲も入選した。
北海道や愛知のコンクールでも最優秀だった。
2004年、ノートに書き溜めた「伝えたい日本語」をメールマガジンで毎日発信し始めた。始めて3ケ月後、幻冬舎の大島加奈子さんという編集者から電話があり、書籍化の話が持ち上がった。
あれよあれよというまに、本が出来上がった。
あれよあれよというまにベストセラーになった。
NHKラジオのレギュラーとして、ボクとのご縁も繋がった。
山下さんのメールマガジンのハンドルネームは、夢子さん。
文字通り、夢みる夢子さんだ。
「夢」というのは、具体的なことではなく、 その中の本質のことであると考えている。思うようになれた。具体的な形がひとつの 「目標」であって、その中にある「夢」すなわち本質、心が大事だと思う。
作詞作曲家になりたかったのは、結局、自分の心、夢みる夢子さんの私を表 現して表に出して伝えることがしたかったのではないかと思う。
それが、CDになろうと本になろうと、表現ということは同じなので、全然 違う方向に進んだとは思っていない。
夢を叶えたような、夢の続きのような、うまく自分を実現できる方向に進んだと思う。
「抱負」とは、背負っているもの、抱いているものと書く。
天命というものは、自分の環境、まわりの状況が絶対関わってくる。それに逆らって自分に何の関わりもないことを求めても、うまく行かない。
あの人みたいになりたいと思っても、そうなった時点で、自分が幸せかと いうと、そうではない。まわりに左右されずに自分が本当にどうしたいのかわかることが大切だと思う。
山下さんにとって「夢」はお月さんのようなもので、ゴールではなく、いつもあるもの。目標は達成するけど、夢は叶っても叶わなくても、いつも心にあるもの。
「夢」をイメージ映像にしてみるならば、何もなくても、心を通わせる信頼できる人たちと一緒にいて、いつも自分の気持ちを素直に出すニコニコした私がいて、周りも幸せでいるような感じだという。
マシュマロのような、綿雲のような「ふんわりした夢」に包まれた山下景子さんは、いつあっても変わらない。
彼女のいるところ、ギスギストゲトゲがなくなる。
山下景子さんの3つの縁を聴く、シャナナTV『縁たびゅう』。
最初の配信は、3月1日(月)からの予定。
11:30~と20:30~の毎日2回配信。
翌週からは、YouTubeで、いつでもどこでも見られる。