十四代今泉今右衛門展に行ってきた。
銀座和光での6年ぶり3回目の個展だ。
銀座和光というステイタスで、知り合いの作家が個展を開くと、
こちらまで嬉しくなる。
今回の個展は「暮らしとともに」というテーマがついている。
自宅に飾りやすい花瓶、食卓を豊かにする器など、日々の暮らしに寄り添う作品が展示してある。もちろん十四代お得意の「雪花墨はじき」も目を引く場所に置かれている。
会場で十四代と親しく語らった。
コロナ後の変化について聞いてみた。
「オンラインで会議をすると疲れる。なぜかと考えてみたら、オンラインでは雑談をすることがない。雑談はひらめきや着想を生む。 雑談の力が文化を生むことに気づいた」
深く納得。かつてNHK時代、喫茶店での雑談がアイデアの源だったことを思い出した。
「不透明だからか、透明感のある作品を作りたくなった。白磁にプラチナで彩りをつけた作品を出展した」
初めてお会いしたのは、十四代を襲名した直後だから17~8年前。
そのころは、今右衛門という看板を背負ったばかりで肩に力が入っていたという。ましてや51歳で人間国宝にもなったのだから無理もない。
58歳のいま、やわらかくなったと言われることが多くなった。
今右衛門さんの作品を愛で、今右衛門さんと語らっていると、こちらまでやわらかくなってくるようだ。
十四代今泉今右衛門展は、明日6日まで、銀座和光6階ホールで。
きょう5日は、1日3回、今右衛門さんご自身のギャラリートークが予定されている。
(白磁にプラチナ)
(作品は、今右衛門さんの特別の許可を得て撮影)