これまで、立ち止まることのなかった漫画家のヤマザキマリさんが、
コロナ禍の中、立ち止まって考えてみた。
ヤマザキさんは、イタリアと日本を行き来し、回遊魚の如く、世界を駆け回っていたが、パンデミックで初めて動きを封じられ、自分や社会と向き合ううち、立ち止まって考える必要性を実感した。
妄想に惑わされないためにも、歴史から学ぶことは大事だ。
不条理のもとでしか育たない感性がある。
ペストという感染症が蔓延した暗黒時代が
ルネサンスの勃興に繋がった。
日本でも戦中戦後、不条理を経験した人が、
とてつもない創造性を発揮し、後世に残る作品を作り上げた。
表現者にとって、不条理は肥やしになる。
内側に「知力」という抗体を作れば、突発的出来事に対応出来る
思考力が鍛えられる。
「生きていればナンデモアリ」の心構えが必要だ。
今だけを見る短絡的視点だと右往左往してパニックを起こしがち。
今回のパンデミックでも、
未来に繋がる何かが育っているような気がする。
自分と向き合い、自分を逞しくするいいきっかけを与えられている。
そこで必要となるのが、なんでみ鵜呑みにしない「猜疑心」。
責任を丸投げする「信頼」に比べ、「疑い」は想像力と知性を育む。
自分の考えをメンテナンス出来る。
メディアからの情報は、自分が知りたいいいとこ取り。
経験から得られる情報は、
苦労や失敗や屈辱がもたらすものも含まれる。
さすれば発する言葉や行動にも「独特な彩や深み」が生まれる。
立ち止まり考え、未来に繋がる何かを想像してみよう!