秋深まる信州上田で「ことば磨き」 | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

秋深まる信州上田。

いつも伺う蕎麦屋さん「日賀志」では、暖炉に火が入っていた。

上田は、戦後まもなく、若き父が働いていた場所だけに、

ボクも思い入れのある土地だ。毎月通うのが楽しみだ。

きょうは、新たに6人が加わり12人が参加。

蔵の中は、熱気が漂う。暖房はいらない。

 

まずは、長田弘さんの『最初の質問』に答えるワーク。

「ありがとう」ということばを、きょう、あなたは口にしましたか?

例によって、有難うの意味を熱弁。

その上で、問うてみた。

●朝起きたら、いの一番に言うようにしている。

●昨日に有難う。今日に有難う。

●きょう健康診断に行ってきた。

 受付、問診、採血、清算…いずこでも有難う。

●妻の作る朝ごはんに有難う。

●夫の作る朝ごはんに有難う。

●母が「ごめん」「すまない」と言うので「有難う」にしてもらった。

●五十肩にも有難う。

●仏壇に有難う。

信州の人は、なにごとも「あたりまえ」と思わない人は多いようだ。

 

インタビューワークは、今回も「食」をテーマに、ムラカミ塾長に聞く。

よく、コーチングの世界などでは、

クローズドクエスチョン、オープンクエスチョンという。

クローズドクエスチョンは、「はい」か「いいえ」で答える質問。

いわゆる二者択一型。

返答はしやすいが、相手が十分話しきれないところがある。

オープンクエスチョンは、「はい」か「いいえ」では答えられない質問。

いわばアバウトに聞いて、相手に自由に答えてもらう。

「あなたまかせ」になりがちなので、聞き手の存在感が薄まる。

この日も、クローズドかオープンか、どこまで踏み込んでいいのか戸惑いながら聞いている人がいたが、まあ、結局のところ、クローズドとオープンを、TPOによって使い分けるしかない。

インタビューを受けながら、新人時代のNHK富山放送局の食堂の坂井のおばちゃんを思い出させてもらい、ボクとしては懐かしく嬉しくもあった。

 

(朗読家の駒村則子さんに『最初の質問』を読んでいただく。

駒村さんは、17日に、上田で「大人の朗読会」を開催。)