坂田明がサックスを吹き、神田香織が講談を語る。
そう聞けば、行かざぁなるまい。
下北沢の小さなライブハウスで開かれた立体講談『はだしのゲン』に、
過日、行ってきた。
講談師の神田香織さんは、1986年以来、『はだしのゲン』を語ることをライフワークにしてきた。彼女は、チェルノブイリ原発事故や福島原発事故も語り続ける反核平和の気骨ある人だ。
ずっと一人で上演してきた舞台を、このたびは「立体講談」と銘打って、
サックスと人形遣いを交え上演した。
坂田さんは、サックスだけでなく、朗読も担当。
『死んだ男の残したものは』を例によって、吠えるように朗読していた。
広島で生まれ育った坂田さんにとって、原爆は常に身近な存在だった。
講談、サックス、人形遣い…それぞれがそれぞれの役割を果たし、
確かに立体化されていた。
会場は、年配の方が多く、もっと若い人に参加してほしかった。
終演後、香織さんとすれ違ったので会釈したら「あら!ムラカミさん!」
と言われたので、マスク姿なのになぜわかったのか聞いてみたら、
「眉毛ですぐわかりました」だって。
(坂田明さん 神田香織さん)
(ムラカミの後ろ姿も)