コロナウイルスが教えていること㉑~「自粛バカ」 | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

生物学者の池田清彦さんが、コロナ禍の自粛社会を一刀両断。

読んでスカッとした。

 

コロナ禍は、人間の本性をあぶりだした。

「自分さえよければいい」という本心が、正義の仮面をかぶった

攻撃性として露わになった。

政府に自粛要請されたら、多くの人が外出しなくなり、「自粛警察」と呼ばれる人まで出現した。自粛を批判すれば、猛パッシングにさらされる。正義が暴走する社会は、自己保身のもと「リスクゼロ思考」が支配している。

リスクゼロはありえないのに、この時代の空気に反する行動をした人を見つけ出し、罵詈雑言を浴びせて、自分は利己的人間でないことを自分に納得させて後ろめたさを払拭しようとする。信念より空気で動く。確固たる考えがないから、マジョリティーにつく。同調圧力に逆らう人をパッシングする情けない感性は、教育システムの劣化によるものだ。

 

日本人は、根本的に「家畜化」していると、池田さんの指摘は手厳しい。物事がうまくいかなくなると、右往左往してクレームをつけることしか出来なくなってしまったと嘆く。

「マスクが買えない」「政府が何もしてくれない」「PCRが受けられない」

ないないづくしの行きつく先はクレームだ。現代人は、自己解決が出来ないので、文句しか言えない。相手に謝らせることが目的化している。

 

日本の教育は、正解主義で来たが、多様性を学び、自分で考える力が身に付くように導くべきだと提言する。みんな一緒は危険。マイノリティの意見、反対の情報にも耳を傾ける「多様性」が必要だ。