ファミリーヒストリー 村上家番外編②~村上雲海とは何者ぞ | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

きょうは、父の誕生日。

大正13年4月22日生まれ。

子年生まれだから、生きていれば今年96歳になる。

12年前の子年、84歳で亡くなった。

連日の父に関するネタで恐縮だが、

誕生日ということでお許し願いたい。

 

父は、晩年まで俳句をたしなんでいた。

ボクの俳句の師匠でもあった。

すっかり忘れていたが、中学生のころ、俳号まで考えて、

結構熱心に句作に励んでいたようだ。

その証拠となるノートが出てきた。

その冒頭に

「世界で一番短い文章と言われる俳句。

我が愛する父の懇切なる指導の下に、、

我が青春の一時期を俳句に表現するものである」と記している。

どんだけ、オヤジが好きだったのかーとツッコミ入れつつ、

「青春の一時期を俳句に表現するものである」と書く当時の自分の青さに気恥しくもなる。

 

「さびしげな 去来の墓に 柿落つる」

京都の嵯峨野に行けば、芭蕉の弟子、向井去来の落柿舎を訪れていたことを思い出す。

「予備校で 孤独味わう 夏期講習」

当時の自分が感じていた受験生気分を思い出す。

「雲海に 我さけぶ声 こだまする」

なぜ、俳号を雲海にしたのかは謎だが、この俳句に由来するのだろう。雲海に向かって、何を叫んでいたのだろう。

「せみなく日 月の上には 三勇士」

アポロ11号月面着陸に際して詠んだ句。

 

ただ文字を羅列しただけの稚拙なものばかりだが、

50年前の青春の1ページをかいまみるようで嬉しいものだ。