コロナウイルスが教えていること①~国家を超えた連帯の好機 | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

新聞のスクラップをいまだに続けている。

インターネット時代の今でも、ハサミで切り抜いている。

 

新聞の1面トップ記事は、コロナ感染のことでもちきりだ。

特に感染者の数や感染した地域の詳報が載っている。

確かに「事実」ではあるのだが、そこだけでは「真実」が見えてこない。

新聞は、オピニオン面やインタビュー記事、読者投稿欄などの中に、

「真実」を知るヒントがある。自分が知り得た「事実」をもとに、何をどう考えたらいいのかというヒントがある。

そういう意味で朝日新聞8日付け朝刊の社会学者・大澤真幸さんへのインタビューは、実に示唆に富んだものだった。何度も何度もうなづきながら読んだ。当然、スクラップして保存した。

 

大澤さんは、苦境の今こそ、国家を超えた連帯のチャンスと主張する。

内容の要約。

「人新生(じんしんせい)という言葉がある。人類の活動が地球環境を変える時代のこと。人類の力が自然環境に対して強すぎるため、気候変動で大災害が頻発する。それにより私たちはかえって自分たちの無力さを思い知らされる逆説が生じている。今回のパンデミックも、未知の病原体という『自然』から手ひどい逆襲を受けている」

「人類の持続可能性を左右する現代の大問題は、国家のエゴイズムが問題を深刻化させてしまう」

「持続可能な生存には、国家を超えた連帯しかない。そういう意味で、新型コロナウイルス問題は、膠着状態を変える可能性がある。これだけ一気に広がれば指導層も我がこととせざるを得ない」

「まだなんとかなると思っているうちは、従来の行動パターンを破れない。絶望的と思えるときこそ思い切ったことが出来る。この苦境を好機に変えなくてはならない」

 

(大沢真幸さん)