富山では、ブリは、ことさら珍重される。
ブリは成長と共に名前が変わる。
富山では、モジャコ→ツバイソ→フクラギ→ガンド→ガンドブリ→ブリ。
めでたい魚として、寒ブリを正月にいただく風習もある。
これを「ブリ正月」という。
ぶりしゃぶを食べに行こうと誘われたのが、
富山市東岩瀬にある「ふじ居」。
岩瀬は、江戸初期の建物も残る風情あるところ。
その中に、江戸時代から存在していたかのような料亭「ふじ居」。
五福にあった店を、去年8月移転した。
店主の藤井寛徳さんは、金沢や京都の料亭で修業を積んだあと、
富山にUターンした。
富山にある豊かな海の幸山の幸を活かした料理を提供し、
ミシュランで評価を受けるまでになった。
料理の軸となる「だし」には、人一倍こだわりがある。
利尻の最高級昆布、枕崎の鰹節で一番ダシをとる。
富山にある酒蔵からすべての酒を取り寄せているが、
中でも地元岩瀬の「満寿泉」には力が入る。
ボクは、ブリをしゃぶしゃぶするだけかと気楽に考えていたのだが、
ブリしゃぶに至るまでの道が長い。長いが退屈はしない。
まずは、
その日の朝獲れたばかりというブリを見せられ度肝を抜かれる。
そうして、次から次にブリ尽くし。
刺身も、焼きも、これまで食べた中で、いちばんの味。
宴が始まって、3時間くらいしてから、ようやくブリしゃぶ。
絶妙のだし湯に浸かったブリの美味しいこと。
いやはや、ひと月遅れで、ボクにも「ブリ正月」がやってきた。
(この日の朝獲れたブリ。およそ10キロ)
(きときとな~)
(これまで食べた照り焼きでいちばんの味)
(いよいよ、ぶりしゃぶが始まる)
(出汁湯に浸かったブリさん)
(岩瀬の「ふじ居」)
(庭も見事)
(岩瀬運河から立山連峰)
(有難いことに3回連続、立山連峰にご挨拶出来た)