ことば磨き塾は、感情の置き場所 | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

たんばことば磨き塾の第3期。

新たな年に、新たなメンバーも加わり、新たなスタート。

ことば磨き塾は、

いろんな感情が行き交い、その感情の置き場所だと感じた。

 

ささいなことで夫に「大キライ」と口走ってしまった。

そうしたら「つけあがるナ!」と言われたそうだ。

結婚50年で初めてのことで、

夜も眠れないほどショックを受けたと涙ながらに話された。

いつもは、穏やかな笑みを湛えた方なのに。

売り言葉に買い言葉を実感され、翌朝「ごめんなさい」と謝ったそうだ。

 

仲がいい相手とは言え、話が遅々として進まないので

「イライラする!」と言ってしまい取り返しがつかないと反省。

短いことばで思慮もなくでは通用しない。

「もどかしい」なら、お互いの気持ちが代弁出来る。

時間をかけて「イライラ」に代わることばが見つかり、

喉の骨が取れたような気分。

 

感動屋の妹に、無感動の姉。

見てきたこと聞いてきたことを感動の冷めやらぬままに語ると、

いつも姉に「何がそんなに面白いん?」と火消しされてしまい、

妹は興ざめしてしまう。

姉は出不精だが、自宅を守り母の面倒も見てくれている。

姉がいるから出かけられる。「姉ちゃんのおかげさま。有難う」と

言ってみたら、姉の対応も変わるかもしれない。妹、納得顔。

 

取り返しのつかない一言。

取りつく暇のない一言。

傷つけられた一言。

思いもかけない武器ことばで悩んで、感情の置き場に困っていた人たちが、塾生の前で話し、みなで共感共有することで、楽になっていった。感情の置き場があると楽になれる。