浅田真央さんのパワーはすごい！
パワーといっても、
人を寄せ付けない、近寄りがたい強靭なものではない。
むしろ、力を込めない力。
その場にいる人を、あたたかく、やわらかく、やさしくしてしまう。
ムラカミも鎌田先生もいい意味で「骨抜き」にされた。
いつもの不協和音もどこへやら。
お互い話の腰を折ったり、突然のツッコミを入れたり、
しょーもないダジャレを言ったりすることなく、真央さんの話に聞き入った。そうさせるものが真央さんにあるのだ。
バンクーバーオリンピック銀メダル。
女子初のトリプルアクセル成功。
世界選手権３回優勝。
ＧＰファイナル４回優勝。
全日本選手権優勝６回。
輝かしい栄光の中で、現役時代は常に孤独だった。
いつも期待されていた。目標が追いかけてきた。
精神を研ぎ澄ます日々だった。気が抜けなかった。
だから、感情を押し殺していた。
だが、いまは違う。嬉しい、楽しいという感情が自然に湧いてくる。
始めてリンクの上で「幸せ」と思える。
サンクスツアーと名付けたアイスショーで全国を回っている。
引退後、何がしたいのか、何をしたらいいのかわからなくなり、
もぬけの殻のようになり、真っ暗なトンネルにいた。
スケート靴を脱ごうと思っていた。
だが、少しずつ光明が見えてきた。
いまの自分があるのは、たくさんの応援してくれた人のおかげ。
リンクの上で、サンクス、感謝の気持ちを伝えようと思い立ち、
真央さんが座長になりアイスショーを始めた。
会場選び、出演者、チケット価格、構成・・・これまでのアイスショーとは一線を画す真央スタイルだ。
現役時代の「孤高」と違い、今はみんなで作る「楽しみ」がある。
いつも結果を求められてきた競技の世界を離れ、
いま、ようやく安堵の世界に身を置いている。
修羅場を潜り抜けてきた人だからこそ持てる「あたたかさ、やわらかさ、やさしさ」なのだろう。その真央パワーで、おじさん２人は、すっかり心地よくなった。
浅田真央さん出演の文化放送「日曜はがんばらない」は、
６日１０：００からの予定。
