ことば磨き塾は、いずこも人生勉強の場。
特に丹波では、それを感じる。
80歳から17歳と年齢もさまざま。
丹波市の部長職、看護師、農業、受験生・・・
バラエティに富んでいる。
この日(25日)は、「夏の思い出」をテーマに他己紹介。
●白内障の手術がうまくいかず、右目の視力がほとんどなくても、
一方の目を頼りに会場まで車の運転をしてくる女性は80歳。
年齢差63の17歳の受験生とペアを組んだ。
紹介を聴いていた17歳は、「自分のことじゃないみたい」と喜んでいた。80歳にして「これからの人生の後半、人のためになるようなことしたい」と意気盛ん。
●50代ペアは、まるで女子大生のようにはしゃいでいた。
「願いをすべて叶えてくれた人との恋バナ」を、我がことのように嬉しそうに語っていた。恋バナは、若返りの特効薬だ。
●聞き取ったことを本人のように、若き日の夏の思い出を情景が浮かぶように語る。この夏、孫を連れて行ったUSJの楽しい思い出を、やはり情景が浮かぶように語る。このペアは情景描写がうまい。あまり自分の解釈を入れずに、実直に素直に紹介した。
●3人の男の子のお母さん。居心地がいいから長男も家から出たがらない。夏祭りの浴衣の用意をする様子や海水浴に出かけたときの様子を伝えながら「すてきなおかあさん」と言われ、少し涙目だった。
定年後、農業に携わった女性。収穫した作物から種を採取して、翌年植えつけている。「(手間のかかる)あほみたいなことしよる」と周囲から揶揄されているいるが、他己紹介を聴きながら、価値を認めてもらえたと喜んでいた。
自分にとっては「あたりまえ」のことでも、第三者からみれば「あたりまえ」ではない。お互いに価値観を認め合う他己紹介。まさに格好の人生勉強の場だ。