まかせる力 | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

ボクは、なかなか人に「まかせる」ことが出来ない。

NHK時代、

「何でも自分でやってしまう」と後輩から揶揄されたこともある。

思い切って、任せ委ねないと、人は育たない。

黒岩さんのレストラン経営、孔子と弟子の話に続いて、

期せずして、「育成」3本シリーズになった。

 

ジャパネット創業者の髙田明さんと、

外資系日本支社長を歴任した"伝説の経営者"新将命さんとの共著『まかせる力』を興味深く読んだ。 
新 将命(あたらし・まさみ)さんは、1936年東京生まれ。

シェル石油、日本コカ・コーラ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、フィリップスなど外資系6社で社長職を3社、副社長職を1社経験。

ユーモアあふれる独特の語り口は、経営幹部層や次世代リーダーの間で絶大な人気を誇る。著書『経営の教科書』や『王道経営』を読んだ高田さんは、新さんをメンターと仰ぐ。

髙田 明(たかた・あきら)さんは、1948年長崎県生まれ。創業したジャパネットたかたを、あっさり譲り、いまはプロサッカーチームのV・ファーレン長崎のオーナーとしてチームの再建を図り、わずか1年でJ1に昇格させた。


2人は、逆境や変化を乗り切り、安定した経営を存続させ続けるには「まかせること」が大切だと、意見の一致をみている。
そのためにはまかせる自分、まかせられる社員や仕組みをつくる必要がある。 そして顧客や取引先などすべての関係者にまかせてもらえる存在になることである。ここでも2人は、同じ考えだ。

まかせる人材を育成することが、リーダーのいちばん大事な役割だ。

「うちは人材がいない。育たない」と言いながら、いつまでも後進に道を譲らない社長は失格だと断じる。
まかせる人材にいちばん必要なことは、マインド。企業理念がわかっていないと、スムーズな事業承継が出来ない。スキルはあとから培うことも出来るから、マインドがあるかないかが、いちばんだ。
判断力もあり、危機管理能力もあり、人を見る目もあり、ユーモアもあり、そして何より同じマインドを持ち合わせた2人の対談からは、お互いを信頼し、まかせあえる関係をうかがい知ることが出来る。