買い被りの父さんのおかげでいまがある。 | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

のっぽさんは、のっぽさんのお父さんが作ったといえる。

のっぽさんは、NHKの「できるかな」で20年間、夢を与えてくれていた。

ぶきっちょで、落ち込みやすいのっぽさんが、いまあるのは、

いつもいつも、本気で息子を買い被ってくれたお父さんのおかげだ。

 
お父さんは、高見嘉一。ハイカラな芸人だった。
チャップリンの物真似を得意としていた。
のっぽさんは、
お父さんが京都の撮影所で仕事しているとき生まれた。
生まれたときから、「この子は出来る子です」と言い続けてくれた。
のっぽさんは、タップダンスをアステア並みにこなす。
幼いころ、靴選びに来て、
お父さんは、「この子の足は商売物ですからねー」と予言していた。
世にのっぽさんの名が知られだしてから、お父さんを喜ばせようと、
仕事の自慢に行った。そうしたら、「わざわざ、そんなこと言いに来たの?あなたなら当然でしょ。あなたならもっと出来ますよ」と言われた。
けなされたことは、ただの一度もない。
ふつう、父親は、突き放したり厳しくしたりするものだが、
のっぽさんのお父さんは、稀有な育て方をした。
だから、のっぽさんは、自己否定しないで済んだ。
だから、子どもたちを見下さない。全肯定する。
子どもを「小さな人」と呼び、敬意を払い、
きちんとしたことば使いで接する。
 
子どもの日のアートカフェフレンズ。
集まった大人たちが、みんな小さな人だったことを思い起こす
特別の夜になった。
今月10日に84歳になるのっぽさん。
身長は182センチ。
キノコ帽子を被った姿は、あのときと変わらない。
背丈は大きいが、心映えは「小さな人」だ。
いつまでも小さな人でいる秘訣を聞いてみた。
「自分にウソをつかないこと」
「なるべく信念を曲げないこと」だそうだ。

 

(興に乗ってタップダンスも披露)
(弘道お兄さん、サプライズで登場)
 
(工作の時間も)