大阪のおかあちゃん、西端春枝さんに会いに行った。
1922(大正11)年3月20日生まれ。
つい先日96歳になった。
軽口たたく「大阪のおばちゃん」でもあるが、
その経歴はすごい。
大阪府浄土真宗大谷派勝光寺の長女として生まれた。
昭和16年、大谷女子専門学校卒業後、
市内の小学校で教鞭をとっつた。
戦争の終わった昭和20年退職し、
21年、教師仲間の西端行雄さんと結婚した。
夫は戦後の教育方針に悩み教職を辞し、
2年間夫婦で行商をする。
そして、昭和25年、
北区天神橋筋に一坪半の衣料品店『ハトヤ』を開業。
11年後の昭和38年、㈱ニチイが誕生。
人事部・教育部長の職に就き、社員の意思統一に努力する。
昭和49年株式上場を機に退き、浄信寺の法務に着く。
96歳の今も、全国女性同友会の名誉会長として、
多くの女性経営者の信望が厚い。
講演活動にも忙しい。
その西端さんんとご縁が出来たのは、
2012年10月23日の卒寿を祝う会の司会をしたとき。
繋いでくれたのは、安心堂白雪姫の女将、橋本由紀子さん。
ボクが長年愛用する美味なる豆冨を作っている。
西端さんと橋本さんは、30年来の知己だ。
3人で集うことになり、この日の訪問となった。
食事に行くとき、
いささか足元が心もとない西端さんと手を繋いだ。
「あんたの手、あったかいなぁ」と言いながら、
握り返してきた手に、頼る心を感じた。
さすがに96歳ゆえに、2時間くらいでお開きになるかと思っていたが、なんのなんの5時間近く話し込んだ。
食事も進み、ササも進み、話も進み、楽しい宴であった。