丹波の未来のキーワード(続)~「可能性」という種 | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

シンポジウムのコーディネーターという役回りは、

締めに何か気の利いた「まとめコメント」を言わねばならない。

したり顔訳知り顔で言うのもどうかと思っていたところ、

佳きことを思いついた。

当日配布されたプログラムに書かれた

主催の柏原ロータリークラブの柳川拓三会長の挨拶文を

朗読することにした。

丹波の未来を想う真摯な文章に心打たれ、共感した。

この文章には、日本人の心意気にも大切なことが書かれている。

ここにも、全文引用する。

 
今、『日本』という国家は、世界の如何なる国も経験したことのない
超高齢化社会を迎えようとしています。
私たちの丹波市では、その状況はイチ早く訪れると思われます。
そしてすでに、その影響は随所に現れてきています。
しかし、国民が敗戦から立ち上がり懸命に築き上げてきた成熟社会のなれのはての姿に悲壮感を漂わせるのではなく、人として活力ある生活を営むことができる環境を整えていかねばなりません。
現在繋いでいくことが難しい時代背景の中で、
丹波市内においても様々な胎動を感じます。
その課題解決に向けた動きが一過性に終わるのではなく、
次世代に広がりをもたらすものとなることを願っています。
このたびのシンポジウムは、丹波市内の地域(観光)資源の秘めた可能性を皆様とともに耕し掘り起こす機会にしたいと考えています。
丹波市内に内在する資源、知識、智恵に、外部からの知識、智恵を組み合わせ融合させることで、丹波市の未来を拓いていく閃きが生まれるのではないでしょうか。
そして、本日耕し掘り起こした可能性という種はお持ち帰りいただき、
一人一人が、それぞれの畑に播き育てていただきたいと思っています。
「新たな責任の時代」といわれます。
それは、「今」を生きる私たちが他人事ではなく、責任を共有し背負い、
それぞれの責務を果たしていこうとする掛け声のようにも思われます。
手をこまねいていても道は拓けません。
皆様と共有したこの時間の先に、
新たに何かが芽生え動き出すことを願ってやみません。
 
柳川さんの考えていることは、ボクの想いとまったく同じ。
「可能性という種」「耕し掘り起こす」「共有した時間の先に」・・・
事前に相談したわけでもないのに、
同じ呼吸をしている感覚があって、とても嬉しかった。
 
極論すれば、地域にリーダーはいらない。
お山の大将ばかりしても、ことは前に進まない。
船頭多くしてナントやらだ。
リーダーより、「シーダー」が必要だ。「種まく人」。
このたびのシンポジウムで、いろんな種が蒔かれた。
柳川さんが言うように、持ち帰った種を、
それぞれの畑に蒔き育ててほしいと切に願う。
そして、ボクも「嬉しいことばの種まき」をせっせとやらねばと、
想いを新たにした。
 

(柏原ロータリークラブ 柳川拓三会長)