たんば女性STORY43~紙を超えた紙を作る | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

たんば女性STORYの収録。

今回は、紙を超えた紙に賭ける女性を招いた。

矢本章子さん。

丹波市で50年あまり、「紙加工」を扱ってきた柏原加工紙株式会社の

企画開発、広報、営業、その他もろもろを担う。

社長は父だが、特別扱いはしてくれない。

 

彼女は、最初から、父の仕事を手伝うつもりがあったわけではない。

幼いころから、図工の時間に、物を作るのが好きだった。

柏原高校では、美術部に属し、彫塑が得意だった。

大阪芸大陶芸学科に進み、陶器のオブジェに惹かれる。

陶器なのに、メタリックな感じのする造形に挑んだ。

一見、清楚な印象だが、内なるマグマがあるようだ。

さらに大学院で学んだあと、金沢の工房で修業を積む。

伝統工芸と最先端アートに触れ、引き出しを増やす。

そして、丹波市にUターンし、

氷上支援学校で3年間、美術教師として、無邪気な子どもたちから、

作品作りの楽しさを教わる。

 

ようやく、父の会社に就職。

新たな販路を求めて、新たな紙を製作することになり、

これまでのアート経験を求められたのだ。

土で培ったことを紙に生かすことになったのだ。

 

(矢本章子さん)

 

↓矢本さんが開発に携わった製品

 

手塩にかけた紙~teshio paperというブランドには、

彼女のアイデアを具現化する「職人技」が必要だ。

ベテラン職人と試行錯誤を重ねながら、作り上げていく。

地道な「ものづくり」、諦めない姿勢は、

土を相手にした経験で、しっかり持ち合わせている。

 

紙と紙を貼り合わせる。

紙に蝋を染み込ませる。

紙に凹凸をつけて型を浮き上がらせる。

決められた寸法に裂く。

一つ一つの工程に熟練の人の手を加え、

「紙を超えた紙」を作り上げていく。

ランチョンマット、ラッピング、ブックカバー、封筒・・・

用途・販路の可能性は広がっていく。

「紙」の話をする彼女は、実に楽しそうだ。

 

矢本さん出演の『たんば女性STORY』は、

FM805たんばで、2月20日、27日20:00~放送予定。

アンコールは、その週の土日10:00~。

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