奥丹波ブルーベリー農場。
古谷暁子さんが、夫とともに無農薬で栽培したブルーベリーが
評判を呼んでいる。
収穫期の夏になると県外からも摘み取りに来る人がいる。
夫婦そろって農業とは無縁だった。
2人が付き合い始めたころ、彼はタンクローリーの運転手。
不規則な仕事で身体が悲鳴を上げていた。
彼女は、破産管財人の弁護士の事務をしていたが、
精神的にしんどい仕事で、心が悲鳴を上げていた。
「田舎で農業やりたい」と突然彼が言い出したとき、
「アホちゃう」と言い返した彼女。
だが、気が付いたら丹波に来ていた。
丹波に来たら、心身ともに元気になった。
子どもが生まれる前から、自然の中で育てたいと思っていたが、
2人の子は、野生児に育った。
特に6歳の長男は、のびのび屈託がない。
ブルーベリーの小枝で作った弓で遊び、
川で捕まえた小魚を、水槽で飼う。
市島町では、新規就農を奨励する補助金が受けられ、
有機農業のノウハウを伝授してもらえた。
土になじみ、風になじみ、人になじんでいった。
なじみの大工さんに、素適な家まで作ってもらった。
そこで、家族4人が醸し出す
「あたりまえ」の「なにげない」毎日がいとおしい。
古谷さん出演の『たんば女性STORY』は、
(あまくて、喉越しがいいブルーベリー)
(紅葉したブルーベリーの木々)
(野生児 紘基ひろきくん)
(丹波新聞に連載中のエッセイ)