朗読は1人ブレストから | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

ボクの主宰する「朗読塾」は、自分以外がみんな先生。

お互いの朗読を聞いて、気づいたことを指摘しあう。

この指摘が、実に的確なのだ。

 

みんな思い思いの素材を持ち寄る。

小説、民話、絵本、詩、エッセイ…、いろいろだ。

いろんなジャンルの朗読が聴ける。

素材の選択や朗読に人柄が出る。 

 

朗読に大事なことは「一人ブレスト」。

簡単に納得しない。

面白く楽しい絵本を「難しいと感じる」という人がいたが、

「難しい」と感じることは、むしろ大切なことなのだ。

様々な想いを重ねながら、あれこれ想像してみる。

いきなり声を出さず、「黙読」を繰り返す。

アクセルとブレーキのタイミングを考えないと、

ワンパターンの読みになる。その「さじかげん」を意識する。

その「さじかげん」は、「間」の取り方ひとつで決まる。

没入することも大事だが、

読み手がのめり込みすぎると、聞き手は置いていかれる。

かといって、淡々としていては、ことばが素通りする。

ことばは粒立てねばならない。

「黙読」は、そんなこんなを考える時間。

いきなり「音読」しないほうがいい。

「音読」すると、声にとらわれて、内容がわからなくなる。

 

そうして、「声」に出したら、「一人ブレスト」の成果を信じて、

自分の「声」に一任するのがいい。