たんば女性STORY27~狛犬に魅せられて | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

この人と初対面の時、待ち合わせたのは神社の境内だった。

「道行みたいですね」と笑いながら・・・。

その神社は、丹波市春日町黒井にある兵主(ひょうず)神社。

奈良時代、天平18年(746年)の創建と伝えられる由緒ある社だ。

戦国時代以降は疱瘡の守護神として広く知られ、

多くの貴人たちも京から病気平癒祈願に訪れた。

氏子の一人として、父に連れられ、幼いころから何度も来ていたが、

この人に誘われて行くと、まるで別世界だった。

山内順子さん、丹波に来てまだ5年なのに、

どの丹波人より丹波の歴史に詳しい。

中でも、狛犬に寄せる想いは、並々ならぬものがある。

どこでも見かける狛犬。

存在は知ってはいてもじっくり鑑賞したことはない人がほとんどだろう。

ボクもそう。山内さんもその一人・・・だったと過去形。

ある雨の日、神社の入り口で、山内さんは狛犬と目があった。

「よく来てくれたね」とずぶぬれになりながら、

懸命に微笑んでいるように見えた。

刻まれた年号を確認すると、100年も神社を守ってきたことがわかり

興味が深まった。

 

丹波市は、狛犬の宝庫。多種多様な狛犬が存在し、

作者の判明している狛犬が多い。

兵主神社には、なんと6対の狛犬が存在する。びっくり!

6対、それぞれ違う特色がある。

瓦で出来たもの、背中に製作年と作者が明記されたもの、

子を抱いた珍しいもの・・・サマザマ。

そして本殿の裏にある奥の宮に、初めて足を踏み入れた。

そこには巨石が祀られ、磐座となっていた。

オガタマノキ、クスノキ・ムクノキ・ケヤキの巨木もあり、

神秘的な鎮守の森となっていた。

見慣れていたはずの神社の新たな顔を知った気分。

ナビゲーターがいると、地域文化が身近になる。

 

神社仏閣に行けば、そこには歴史の扉が開いている。

狛犬だけでなく、絵馬、石灯籠、彫刻・・・

興味をそそられるものがいっぱいある。

山内さんは、それらをカメラに収め、

ビジュアルでわかりやすい資料を作っては、

あちこちに出かけ、楽しく歴史を語らう場を設けている。

歴史好きなボクも、時を忘れて話に引き込まれた。

 

山内さん出演の『たんば女性STORY』は、

FM805たんばで、6月20日、27日20:00~放送予定。

アンコールは、その週の土日10:00~。

サイマルラジオなら、世界中で聞ける。

 

                  (山内順子さん)

(狛犬愛に満ちた笑顔)

(兵主神社正面)

 
(瓦製の狛犬 背中に制作年、作者名記載。
なんともお尻がチャーミング 山内さん撮影)
(子狛犬を抱いている 山内さん撮影)

(兵主神社奥の宮入口)

(奥の宮には、磐座が…)