ボクは、「人たらし」を自称している。
人の心の扉を開ける専門家。
人と人を結びつける接着剤。
人の心を溶かす人たらし。
そんなボクが、題名を見てとびついた本がある。
歴史の碩学、童門冬二さんの『歴史に学ぶ「人たらし」の極意』だ。
童門さんによると、人たらしとは・・・
人間の心に潜む前向きの衝動をかきたてること。
以心伝心の交流。
相手をその気にさせてしまうこと。
相手の胸をキュンとさせること。
動機づくりのもとになるパワー。
相手に「なら」と思わせる「らしさ」。
童門さんは、「風度」ということばを使い、
臨機応変に「らしさ」を発揮出来るようにするには、「風度」を高めていく必要があると説く。
そのためには、常日頃から自己修養を欠くことが出来ないと諭す。
「風度」を心得た人が、「人たらし」となれるのだと。
稀代の人たらし、豊臣秀吉、田中角栄。
敗者に対して礼をわきまえる器量があった福島正則。
家臣が宝物と公言し、家臣の心をわしずかみにした徳川家康。
徳川家光を支えた「知」の松平信綱と「情」の阿部忠秋。
人の心をつかむことば名人の川越藩主・秋元喬知・・・。
この本には、手本とするべき人たらしの先達のエピソードが満載だ。