人たらしの極意 | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

ボクは、「人たらし」を自称している。

人の心の扉を開ける専門家。

人と人を結びつける接着剤。

人の心を溶かす人たらし。

 

そんなボクが、題名を見てとびついた本がある。

歴史の碩学、童門冬二さんの『歴史に学ぶ「人たらし」の極意』だ。

童門さんによると、人たらしとは・・・

人間の心に潜む前向きの衝動をかきたてること。

以心伝心の交流。

相手をその気にさせてしまうこと。

相手の胸をキュンとさせること。

動機づくりのもとになるパワー。

相手に「なら」と思わせる「らしさ」。

 

童門さんは、「風度」ということばを使い、

臨機応変に「らしさ」を発揮出来るようにするには、「風度」を高めていく必要があると説く。

そのためには、常日頃から自己修養を欠くことが出来ないと諭す。

「風度」を心得た人が、「人たらし」となれるのだと。

 

稀代の人たらし、豊臣秀吉、田中角栄。

敗者に対して礼をわきまえる器量があった福島正則。

家臣が宝物と公言し、家臣の心をわしずかみにした徳川家康。

徳川家光を支えた「知」の松平信綱と「情」の阿部忠秋。

人の心をつかむことば名人の川越藩主・秋元喬知・・・。

この本には、手本とするべき人たらしの先達のエピソードが満載だ。