静岡県焼津市で種まき | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

静岡県焼津市で「次の世代に伝える大切なこと」というテーマで講演してきた。

焼津市男女共同参画・人権フォーラムに招かれた。

 

焼津・藤枝・島田の3市を「志太地域」という。

昔、このあたりは志太郡といった名残りだ。

「志太」とはいい名だ。志が太い人が多いのだろう。

依頼された色紙に別々の5文字を書いたのだが、

1枚、「太」を大きめにした「志太」と書いた。

 

声を出して笑う人、うなづく人、手をあげる人が多く、

会場のノリもよく、話しやすかった。

「有難う」の反対ことばはと問うと、「あたりまえ」と即答した人がいた。

どの会場でも答えられた人がほとんどいないのに、なぜかと思ったら、

静岡の田辺市長が、よく引用されるそうだ。

あちこちで普及していくと嬉しい。

「おはよう」と挨拶、「ありがとう」と感謝、「いただきます」で命への想い。

ことばは、口に出すことで、自分の細胞に行き渡る。

率先して、ことばにすることで次世代に伝わる。

「おかげさま」を聞いたことのない大学生が現実にいる。

伝えてこなかった我々の責任だ。

 

朝起きて鏡の中の自分に「おはよう!」。

ひとりで食事するときも「いただきます!」。

どんなことにも何が何でも「ありがとう!」が口癖になっている。

自分に嬉しいことばかけをしている、そんな大人の姿を子や孫に見せることが、

口やかましく「こうせい、ああせい」ということより、よほど効き目があると思う。