論語知らずの論語塾。
きょうも、新たな塾生が加わった。
89歳の女性は、「今年前半、生死の境をさまよったが、命をいただいたので、勉強に来た」と。衰えぬ向学心がすごい。
目の不自由な男性も参加。ラジオビタミンを聴いてくれていたらしい。
さて、きょうの「孔子と語ろう」。
孔子が傍にいるという設定で、孔子の考えや教えをもとに、意見交換する。
きょうのテーマは、孔子が重んじた『礼』。
形から入って心に至るという。
礼とは、人の心が現れたもの。心を現すには礼が大事だと教えた。
孔子の時代、お辞儀の角度や長さも決まっていた。
服装も、身分によって細かく分けられていた。
式典によって、主催の内容によって、服装が微妙に異なっていた。
いま、この「礼」が揺らいでいる。
ポケモンGOに夢中のあまり、人にぶつかっても知らん顔。
エレベーターで、ベビーカーの親子連れが乗りこむのを待っていても、
「有難うございます」の一言もない。
公衆道徳が守られない。社会規範も何もあったものではない。
驚く話も聞いた。
故人をしのぶ会に、関係者のような顔をして参加する人がいるそうだ。
中身の入っていない香典を置き、食べたい放題、飲みたい放題するそうだ。
その人たちは、あっちの会場こっちの会場の常連だそうだ。
そういう礼を守らない人に礼を尽くすべきかと問われた。
塾頭のボクが、塾長を差し置いて熱弁を奮った。
「礼を守らない人に、露骨に嫌な顔をすれば礼を失することになる。
相手と同じ土俵に乗らないことだ。
よくぞ来てくれたと、最上の笑顔で接すば、
相手も決まり悪くなるかもしれない。
相手にも笑顔が遷り、心改めるかもしれない。
笑顔は、自分の心を変え、やがて相手の心も変える」
礼を守らない人にこそ、礼を持って接すればいい。