論語知らずの論語塾11 | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

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元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

論語知らずの論語塾。

きょうも、新たな塾生が加わった。

89歳の女性は、「今年前半、生死の境をさまよったが、命をいただいたので、勉強に来た」と。衰えぬ向学心がすごい。

目の不自由な男性も参加。ラジオビタミンを聴いてくれていたらしい。


さて、きょうの「孔子と語ろう」。

孔子が傍にいるという設定で、孔子の考えや教えをもとに、意見交換する。

きょうのテーマは、孔子が重んじた『礼』。

形から入って心に至るという。

礼とは、人の心が現れたもの。心を現すには礼が大事だと教えた。

孔子の時代、お辞儀の角度や長さも決まっていた。

服装も、身分によって細かく分けられていた。

式典によって、主催の内容によって、服装が微妙に異なっていた。


いま、この「礼」が揺らいでいる。

ポケモンGOに夢中のあまり、人にぶつかっても知らん顔。

エレベーターで、ベビーカーの親子連れが乗りこむのを待っていても、

「有難うございます」の一言もない。

公衆道徳が守られない。社会規範も何もあったものではない。


驚く話も聞いた。

故人をしのぶ会に、関係者のような顔をして参加する人がいるそうだ。

中身の入っていない香典を置き、食べたい放題、飲みたい放題するそうだ。

その人たちは、あっちの会場こっちの会場の常連だそうだ。

そういう礼を守らない人に礼を尽くすべきかと問われた。

塾頭のボクが、塾長を差し置いて熱弁を奮った。

「礼を守らない人に、露骨に嫌な顔をすれば礼を失することになる。

 相手と同じ土俵に乗らないことだ。

 よくぞ来てくれたと、最上の笑顔で接すば、

 相手も決まり悪くなるかもしれない。

 相手にも笑顔が遷り、心改めるかもしれない。

 笑顔は、自分の心を変え、やがて相手の心も変える」

礼を守らない人にこそ、礼を持って接すればいい。






(字幕スーパーを用意してきた安岡塾長)