ミュージカルナンバーを、心ゆくまで堪能してきた。
EXシアター六本木で開催された『BROADWAY MUSICAL LIVE』。
トニー賞とアカデミー賞に輝いたミュージカルの名曲を集めた
ガラコンサート。
宝塚出身の剣幸さん、劇団四季出身の佐渡寧子さん、
知己を得ている2人が出演しているので、観に行こうと思った。
舞台には、これからのミュージカル界を担っていく若手も次々登場。
大いに期待感を抱かせた。
こういう機会に思わぬ発見があると嬉しいもの。
何より、最大の収穫は、スバラシイ司会者を知ったことだ。
吉原光夫さんのことは、この日まで知らなかった。
だが、この日、舞台で格別の「存在感」を示していた。
吉原さんは、劇団四季の大型新人と期待されていたが、退団。
その後は、仲間と演劇集団を作り自主公演活動をしながら、
様々な舞台で、個性的な演技を見せてきた。
32歳の時、
歴代最年少で『レ・ミゼラブル』の主役ジャン・バルジャン役を射止めた。
そういう経歴を持つ吉原さんの司会ぶりを褒めても、
ご本人は喜ばないかもしれないが、とにかく出色だったのだ。
まず、落ち着いた声が聞きやすい。
間合いがいい。
大げさに謳い上げない。
紹介コメントが終わっても、さっさと引っ込まず、
歌い出しを見届けてから、袖に引っ込む。出演者に対する愛情を感じる。
時々、ストレートなことばで「突っ込み」を入れる。
ユーモアもある。
いささかの照れがある。
緩急が生かされている。
インタビューがうまい。
枚挙に暇がないほど、褒め言葉がワンサカ出てくる。
同じ司会をする立場として、大いに学ぶべき点があった。