銀座に妖精がやってきた | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。

京都在住のイラストレーターの永田萠さんは、

カラーインクの魔術師と言われる。

だが、5年ほど前からアクリル絵の具を使いはじめ、

新境地を開いている。

永田さんが、久しぶりに東京・銀座で個展を開いている。


会場に入っただけで華やいだ気持ちになる。

グリーン、ブルー、イエロー、ピンク・・・

鮮やかな色彩の妖精や花たちが出迎えてくれる。

この個展のために書いた新作が展示されている。

2~3日前までキャンバスに向かっていたという永田さんも上京し、

期間中、ほとんど会場にいる。



この絵、誰が見ても、永田さんだと思うのに、

ご本人は、認めないらしい。

天使を抱くマリアさまのよう。

マドンナシリーズと呼ばれる作品の一つらしい。





ボクは、この絵が、一目で気に入った。

『時計のない街』というタイトルがついている。

夢の街の上空を花びらに乗って浮遊する天使を見て、

先日、池川明さんに聞いた話を思い出した。

生まれに来る子どもたちは、天上で行列して待っている。

じゃんけんで決めたり、譲り合ったりしながら、地上にやってくる。

それは、ディズニーランドに来るような感覚らしい。

中には、一つのアトラクションだけで、満足して帰ってしまう子もいる。

この子たちは、いわゆる流産や死産の子。

親は嘆き悲しむが、子は、喜んで帰るらしい。


流産と判明した場合、

処置せず「自然流産」を望む人も増えている。

陣痛のような痛みが来て、自然に「産まれる」と、

家族でいとおしみ、「手」に抱き、迎え入れる。

「流産」も、一つの「出産」なのだというのが、池川先生の考え方。

この絵を見て、一日だけ遊びに来てすぐ帰る天使に見えたと、

永田さんにボクが語っていると、会場にいた若い女性が、

ポロポロ大粒の涙をこぼしていた。

聞けば、最近、流産したばかりという。

なんという偶然か、いや必然か、

その話を女性聞いてもらうために、ボクは、会場に行ったみたい。

浄化の一助となれば嬉しい

また、長居する天使は、必ずやってくるから!



永田萠絵画展~もうひとつの世界~は、

銀座幸伸ギャラリーで、19日(日)まで開かれている。

※ギャラリーは、銀座7-7-1-2F