イチローに言わせると、
「準備」とは“言い訳を排除する”作業のことだそうだ。
イチローのことばから、イチローの生き方を分析し、
読者に人生の指針としてもらおうという本が出た。
著者の児玉光雄さんは、
プロスポーツ選手のメンタルカウンセラーで、
トップアスリートのコメント心理分析のエキスパートだ。
イチローの数々の言葉から引き出した
大きな成果をあげるための日々の小さな積み重ねのヒントを満載した一冊だ。
「小さなことを積み重ねることが、とんでもないところに行くただ一つの道」
そのことば通り、地道にコツコツ、自らに課したことを積み重ねてきたから、
「とんでもない記録」を作ってきた。ピートローズ越えは目前に迫っている。
イチローは完璧主義者ではない。最善主義者なのだ。
完璧を目指そうとすると息が切れる。
最善を尽くすことなら出来る。
うまくいかないことは、誰にもある。
3割のヒットを成功とするならば、イチローも7割も失敗している。
だが、その「失敗」があるから「成功」も生まれる。
10割ヒットという完璧はありえないが、
10割ベストを尽くすことは出来る。
イチローは、結果に一喜一憂はしない。
プロセスの中で自分がどうであったかを重視する。
そして、「目の前の一瞬」に全力を注ぐ。
ピートローズを越えた時、周りが熱狂していても、
イチローは淡々として、次のヒットに関心が移っているはずだ。