バリアフリーシンガー | 村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

村上信夫 オフィシャルブログ ことばの種まき

元NHKエグゼクティブアナウンサー、村上信夫のオフィシャルブログです。



この人には、少しも気負ったところがない。

やっていることは、バリアなくグローバルなのに、

大げさにアピールしない。

じんわり、やんわり心に届く。

今回、久しぶりにご一緒したので、

いただいた本を読み、改めて、この人のやっていることの幅の広さに驚いた。

分厚い本ではないが、この1冊に「庄野真代」が凝縮されている。


庄野さんは、

「出来るかもしれない」と「出来ないかもしれない」は同じことだと考えている。

だから、出来る可能性のあることは、やってみる。

やってみて出来なかったら元に戻ればいいと柔軟だ。

やらないでいて「今がつまらない」というくらいなら、やってみたらいいと勧める。

常に「○○デビュー」の人生を歩んできた。

45歳にして花の女子大生。スキー、スノボ、マラソン・・・。

新しことには、新しい発見がある・

人には、絶対、自分に合う得意なものがあるはず。

自分も知らない自分と出会うのは楽しみだ。


未熟児で生まれ、大きな手術も経験した病弱な少女時代を送った。

その内省的な時代のおかげで、

「自分の身体から発する声に敏感になれた」という。

自分の声に素直に生きてきた。

「いいカンジ」にしようと努めるクセがついた。


庄野さんが迷わず愛読書NO.1にあげるのが『少女ポリアンナ』。

ポリアンナの「よかった探し」は、庄野さんに大きな影響を与えた。

「どんなに最悪だと思えても、見方を変えれば、必ず一筋の光は見える」

「お金と違い、善意や好意、愛情は、人にあげればあげるほど増えていく」

この本から受けた影響が、「国境なき」活動の原点ともいえる。


ヒット曲を出して、いわば「売れっ子時代」に、あえて歌手活動を休み、

海外28ケ国の旅に出る。

旅が心の枠を外してくれた。

「こうでなければいけない」という思い込みを取り払ってくれた。

「先入観が壊れていく瞬間は、一回一回が新鮮な体験だった」と振り返る。

身の回りで起こるすべての出来事が、

そのまんま感性で受け取れるようになった。

順応性が矛盾を変えていくと思えた。


この本からは、前だけを向いて歩いていく勇気をもらえる。