武春さんに会いに、浅草まで行ってきた。
会場の浅草ビューホテルに着くと、献花に長蛇の列が出来ていた。
芸人仲間、ファン、親族・・・全員自由参加型の会。
1000人は入れる大宴会場に、いっぱいの人。
会場には、武春さんの「うなり」が絶え間なく流れている。
あちこちで、思い出話に花が咲いている。
いわゆる式次第がない雑然とした雰囲気なのに、
途中で帰る人は、ほとんどいない。
みんな、武春さんと一緒にいたいのだ。
春野恵子さんにも、久々に会った。
かんから三線の岡大介さんにも会えた。
ニュースネタを面白く見せる芸人の松元ヒロさんにも面識を得た。
お会いしたいと念願していたので、武春さんが引き合わせてくれたのだろう。
いつか、恵比寿にお呼びしたい。
賑やかな会場が、妻の桂子さんの謝辞の時だけ、しんみりした。
武春さんは、4歳の太陽くんと、2歳の向日葵ちゃんを残して逝った。
子煩悩な武春さんは、倒れる前夜も、2人の子と風呂に入った。
突然、お父さんがいなくなった。
「息子は、人を楽しませるのが好き。娘は歌が好き。お父さんに似ています。
告別式の読経は、武春さんの友人のご住職にお願いしました。
そのご住職が、夜空に浮かぶまんまるの月が、
武春さんの笑顔に見えたと言われました。
それから、我が家では、夜空を見上げて、
お父さんお月さまを探すのが習慣になりました」
最後は、『紺屋高尾』のビデオを流し、
会場全員で「日本一!」の声を掛けた。
いわば、きょうは武春さん一世一代の最後の独演会だった。