篠山市在住の銅版画家、加藤昌男さんの個展に行ってきた。
加藤さんは、サラリーマンを辞めたあと、篠山に移り住んだ。
以来17年、篠山の風景を銅板に刻んできた。
会場には、
加藤さんの心象風景が描かれた銅版画を熱心に見入っている人がいた。
誰かと思いきや、その人は河合雅雄さんだった。
日本が誇る霊長類学者、サル学の世界的権威だ。
正月2日に91歳になったばかり。お元気そうで嬉しい。
名古屋時代、日本モンキーセンター所長だった河合さんにご出演いただき、
「人類はどこまでサルか」という番組を作った。
以来、公私ともにおつき合いをいただいている。
80代に入って、愛知県犬山市から、生まれ故郷の篠山に居を移し、
ますます元気になられたようだ。
やはり故郷の空気や水が合うのだろう。
加藤さんの作品に描かれた風景をいとおしむように見ておられた。
河合さんと加藤さんの共通項は、宮沢賢治だ。
賢治の心象風景を河合さんが文章にし、
それを加藤さんが絵にしたものもある。
「烏百態」、「風の又三郎」「アメニモマケズ」・・・
加藤さんの絵には、新たな詩の世界観がある。
加藤さんの個展は、21日(土)まで
兵庫県丹波市の丹波新聞社3階ホールで開かれている。