ロンドン五輪ボクシングミドル級金メダリストの村田諒太(27)が
25日、東京・有明コロシアムで、華々しいプロデビューを果たした。
相手は、東洋太平洋ミドル級王者の柴田明雄(31)。
2回TKO、わずか5分24秒で、初勝利を挙げた。
やはり、金メダリストは強かった。
1回2分過ぎに右ストレート一閃。あごをとらえて最初のダウンを奪った。
2回はガードを固めてさらに突進し、
ロープに追い詰めたところで、レフェリーが試合を止めた。
完璧な勝利だった。
1986(昭和61)年、奈良市生まれ。
中学1年でボクシングを始めた。
高校時代、高校5冠を達成。
東洋大に進み、04年の全日本選手権ミドル級で初優勝。
全日本選手権などを含めると国内13冠。
11年の世界選手権では日本人過去最高の銀メダルを奪取。
12年ロンドン五輪で日本人48年ぶりの金メダルを獲得。
今年1月にプロ転向を決断。
その決断の理由がすごい。
世界の頂点を極めたものだけにある渇望感が決めさせた。
「みんなが、すごいというたんびに、そんな人間ちゃう。
アホやし、マジメやないし。
金メダルなんか取らなきゃよかった」
「金メダルにすがって生きていたくない。
金メダルを過去のものするには、新しい成果が必要だった」
過去の栄光を断ち切る。みごとな覚悟だ。
視野は、世界を見ている。
世界のトップランナーを見据えている。