ツヨシ「仙人さん、心理学の「意味づけを変える」って、どういうことを言うのですか？」
仙人「ああ、意味づけかぁ。人は同じ失敗をしないように、過去の記憶に照らし合わせて出来事を判断している。それを無意識にやっているんだ。」
アドラー心理学
子どもの頃に同じような不幸な経験をした人がいるとします。ある人は、「自分が不幸な経験をしたことで、それを回避する方法を学んだのだから、自分の子どもが同じ経験をしないように努力しよう」と考えます。しかし、一方で「自分は子どもの頃に苦しんでそれを切り抜けたのだから、自分の子どもも苦しさを乗り越えるべきだ」と考える人もいます。また「自分は不幸な子ども時代を送ったのだから、何をしても許されるべきだ」と考える人もいます。
ツヨシ「それが意味づけですか。でも、どうして意味づけが「人生の質を決める」のですか？」
仙人「人はみんな違う経験をしているだろ、だから、体験による記憶も違うから反応も異なるんだ。良い意味づけができれば幸福に進むが、悪い意味づけをしていれば不幸に進む。意味づけが、今後の人生を決めるといっても過言ではないんだ！」
※意味づけ → 感情 → 行動 → 結果
仙人「夫婦間でも、旦那から「今日、何をしてた？」とたわいもない質問をされただけで、（一日中テレビを見ていたと思われていると解釈して）怒る奥さんがいるだろ？」
ツヨシ「ボクのお母さんも、毎日そんな会話から父と喧嘩していますよ。」
仙人「そんな時、「私のことを気にしてくれているんだ」と喜ぶことができれば、状況は正反対になるかもしれない。ところが、お母さんは、「友達もみんな私と同じ意見よ！」と言うから問題がこじれる。」
ツヨシ「そうです。そうやって問題をややこしくしています。ボクたちは、意味づけを変えないといけないんですよね！」
仙人「フフッ、それが素人の浅はかさというものだ。たとえばだ、日本が今戦争中だとしよう。ツヨシの家族や友人が次から次へと殺されていったら、どんな気持ちになるだろう？」
ツヨシ「悲しいです、敵に対して腹が立ちますし、悔しいです。。」
仙人「そうだろ、そう考えるのが普通の人間だ。意味づけを変えれば良いって知っていても、家族が殺されて「大丈夫です、楽しいです。」なんて言えるかい？」
ツヨシ「そんな人がいたら、その人に腹が立ちますよ。」
仙人「だろ！意味づけを変えることができれば、それに越したことはないさ。しかし、人間には、抑えられない感情というものがあるんだよ。」
ツヨシ「それじゃ、アドラー心理学は机上論ということですか？」
仙人「そうとも言えないが、人間というものはもっと複雑なんだ。そのことを、ブッダは「十如是」で表わしたんだ。」
十如是（じゅうにょぜ）とは…
相（形相）・性（本質）・体（形体）・力（能力）・作（作用）・因（直接的な原因）・縁（条件・間接的な関係）・果（因に対する結果）・報（報い・縁に対する間接的な結果）・本末究竟等相（相から報にいたるまでの9つの事柄が究極的に無差別平等であること）をいい、諸法の実相、つまり存在の真実の在り方が、この10の事柄において知られる事をいう。
ツヨシ「何ですか？十如是って？」
仙人「ああ、、たとえばだ、いつも明るく笑顔の人（如是相）は、楽観的に思考する習慣を持っているから（如是作）、良い結果を生じやすくなる。ってことだ。まぁ、その反対もあるけどな。」
ツヨシ「ふ～ん、なるほど、なるほど。」
仙人「じつは、意味づけの本当の原因は、記憶や考え方にあるんじゃない。意味づけしているその人そのもの（人を構成するすべて）に原因があるんだ！だから、肝心な時になると意味づけを変えることができないのさ。」
ツヨシ「じゃあ、あきらめるしかないってことですかぁ？」
仙人「諦める必要はない。空の世界は、「体や思考・感情には実体がない」って知ってるだろ。見ているもの、考えているもの、すべてが嘘の集まりなんだ。そんなものに、意味づけをしてもしようがないだろ！」
ツヨシ「ええっ！？じゃあ、今までの話は何だったのですか？」
仙人「タメになっただろ。どうしてかというと、空は嘘の集まりだが、実際に起きるから幻のようなものさ。ところが、その幻に振り回されるんだよ！」
ツヨシ「そうです。。じゃあ、何をすれば振り回されずにすむんですか？」
仙人「簡単さ。仏に手を合わせばいいんだよ！すべての答えは、仏が知っているからなぁ。」
ツヨシ「それならボクでも出来ますよ！」
仙人「はっはっはっ」
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【今日の学び】
★意味づけ…過去の悪い記憶からではなく、未来の目標を元にして、意味づけすることが大事。
☆目標・目的を明確にすると、良い意味づけができる
★空を理解すると、意味づけが間違っている（嘘）と分かる
☆神仏と一体化すると、いつも良い意味づけになる！
『ブッダの教え』をもっと深く学びたい人はこちら
⇒ 「覚り」とは、ありのままの自分になること！