2020/7/6 朝鮮日報
初の韓国国産ロケット「ヌリ号」打ち上げ半年延期へ
韓国が独自開発している3段式宇宙ロケット「ヌリ号」の初の打ち上げが部品製作に支障が生じたため、当初予定の来年2月から半年後に延期される可能性が高まった。
韓国航空宇宙研究院のチョ・サンヨン発射体保証チーム長は今月3日、韓国科学記者協会のサイエンスメディアアカデミーで「ヌリ号が2段目の性能を立証し、1・2段目の最終試験段階に入ったが、新型コロナウイルスの影響があるほか、国内企業が担当する部品の信頼性が確保できていない」と述べた。
ヌリ号は2010年から1兆9572億ウォン(約1800億円)をかけて開発している3段式宇宙ロケットだ。当初計画は来年2月と10月に打ち上げ試験を行うことになっていた。1-3段目全てを韓国国内で開発する初の宇宙ロケットで、2009年に打ち上げた2段式ロケット「羅老(ナロ)号」では重要な1段目部分をロシアが製作した。韓国航空宇宙研究院は「9月から政府主導の専門評価団会議で最終的に日程見直しに関する決定を下すことになりそうだ」と説明した。同院によると、国内メーカーによる燃料タンク外皮の製作が4カ月遅れた。最近には全羅南道高興郡の羅老宇宙センターに派遣された韓国航空宇宙産業(KAI)の職員が新型コロナウイルスの感染者と濃厚接触していたことが明らかになり、発射体の組み立てと燃焼試験が2週間中断した。これに先立ち、昨年2月に大田市のハンファ工場が爆発事故の影響で6カ月稼働を中断し、同工場で生産していたパイロスターターの製作にも問題が生じた。パイロスターターはエンジンで火花を発生させ、燃料に点火するのに用いる部品。
宇宙ロケット専門家は「あらゆるリスク要因を取り除かなければならないことを考えると、最長6カ月打ち上げが延期されることもあり得る」と指摘した。