「世界所有的爛漫」関連動画＋裏話

まだ6月だというのに、北京などでは最高気温が40℃前後にもなる記録的猛暑だそうです。

そんななか、氷点下の世界で撮影された「世界所有的爛漫」のミュージックビデオの話です。MVの関連動画や裏話を集めました。

関連動画

ミュージックビデオ
6/8 bilibili

YouTubeの機能で歌詞の日／英語字幕が出ます。

MVリアクション
6/10 bilibil

これも日/英語字幕付き。
画面の外で「第1版を見て泣いた」と話しているのはスタッフの悪魔（後述）

練習生・魯魯 (Luu)のMVリアクション
6/9 bilibili
魯魯の動画の編集好き

悪魔の撮影裏話

MVが公開された日、本作のエグゼクティブプロデューサーも務めた悪魔が、「初めてMVを見た時は涙を抑えられなかった。撮影は大変だったけどその価値はあった」というような投稿をしました。
bilibili -惡-魔-
さらに、そのコメント欄で撮影の苦労話を書いています。彼が自ら舞台裏を語るというのはかなり珍しいです。

1～7まで分けて投稿されているので、書かれている出来事を簡単に書き出します。翻訳ではありません。

1. 旅程

北京大興国際空港から飛んで、新疆ウイグル自治区のウルムチで1泊し、翌日ウルムチからアルタイに飛んだ。
アルタイに到着後、［撮影地の］禾木風景区までは車で約6時間で着くはずだったが……

2. 大雪

大雪で山が封鎖され、初日は登れず、最終日も下山できなかった。監督は一足先に山の上で待っていて、お互い焦っていた。
2日目に吹雪が止み、運転手のもとに入山許可の通知が来た。私たちは昼食の注文をするところだったが、メニューを置いて急いで移動した。
夕方に禾木風景区に到着し、まだ明るいうちにヘアメイクをして少し撮影した。
撮影2日目。再び吹雪になり、髪型が2分と持たずヘアメイクを泣かせた。近くの商店でビニール袋を5つ買い、撮影の合間は頭にかぶって少しでも長持ちするようにした。
雪から機材を守るため、私は右手でカメラマンに傘を差しかけながら、左手でメイキング用の撮影をした。［そのせいで腕が疲れて］翌日も箸が持てなかった。

【参考】ビニール袋着用画像 bilibili 卡斯

3. 輸送

禾木風景区での宿泊地と撮影地は約2km離れていた（駐車場から撮影地点までの徒歩は計算に入れない）
車は監督がレンタルしたオフロード車1台のみで、人と機材を全て運ぶには1回の撮影につき3往復する必要があった。3日間の撮影でだいたい40往復くらいはした。
車を複数台借るのは高かった。DMDFの懐事情はみんなも知っての通り。

4. 扉

あの扉は浙江省杭州で作らせ、裏に枠組みをして合成用の緑のスクリーンを張った。
アルタイまで数千km運び、禾木までは我々と同じ車で移動し、そこからは私と監督とカメラマンと3人でオフロード車の屋根に縛りつけた。駐車場から撮影地点までは馬車で運んだ。
監督が「扉を小さな池に立てると見映えがする」と言うので水の中にも入った。幸い扉の撮影は半日で済んだ。帰りも馬車で運び、地元の人に手伝ってもらい処分した。

5. 脚の疲労

脚がすごく疲れた。靴に雪が入って中が濡れてしまう。宿泊場所の暖房器具は少なく、ドライヤーで乾かそうとしたがうまくいかなかった。結局3日間、靴が乾くことはなかった。他のみんなも似たような状況だったと思う。暖房も大して暖かくなかった。

6. これらはリアクション動画やメイキング映像からは分からないであろう裏話だ。

7. もうひとつ！禾木風景区の食事はバカ高かった。

▶撮影現場での記念写真
bilibili

衣装について

もうひとつ、微博から。
とある音楽情報アカウントが「世界所有的爛漫」のレビューを書き、その中でMVの服のコーディネートを褒めていました。

それに対する悪魔のコメントがあります。
微博恶魔大天尊
コメントによると、衣装に割く予算はなかったため、MV監督やスタッフ、友人たちから私物を借り、北京の練習室に集めて自分たちでコーディネートしたそうです。

羅陽の制作裏話

25日には企画担当の羅陽が制作の裏話を投稿しました。
微博拍德Young（要ログイン）
こうした話は大好きなのでアルバム全曲で希望します。

これも勝手に要約してしまいます。
（本当は原文中に出てくるサラダ姐さんについても書きたいけど、本題と全く関係ない）

楽曲解説文の冒頭は、最初は別の文章を考えていた。しかし、少しネガティブに誤解されるのではないかと指摘され、削除した。
この曲はアルバムのテーマを打ち出した作品だ。歌詞、場景、引用文、全てがアルバム全体の内容や隠喩と関連している。
このMVは最後に公開する計画だったが、予定が変わり第2弾となった。順序としては最後に見た方が視界が晴れるような感覚があっただろう。
MV撮影後、作品の中心にある思想を要約できる文章を監督と共に探し始めた。「就算與全世界為敵也要跟你在一起 (Free Fall)」のMVの時よりずっと難しかった。今回はアルバム全体のことを考える必要があったからだ。
長い間探して、哲学を学んだ仲間の手も借りたが難航した。あのゲーテの文章はMV完成直前にようやく見つけた。表現したい精神や思想とぴったりだった。
まず英語訳を選び、それを自分たちで中国語に訳した。翻訳の理念に沿いつつ、曲と引用文との関連が分かりやすくなるようアルバムタイトルと曲名を埋め込んだ。
アルバム全体を聴いた後で、もう一度この曲が持つ寓意や精神を感じてほしい。より多くの感動があるはずだ。
最近、時間を作って地下アイドルのライブや広州バレエ団の公演を観に行った。感慨深いものがあった。夢を追って努力する善良な子供たちが、この世界から優しくされるよう願っている。