2015年9月12日、中国のフォークデュオ、好妹妹楽隊が北京工人体育場でスタジアムライブを行いました。

 

ハオメイメイってなにそれ?って方は前回の記事を見てね
基本情報というにはあまりにいびつですが。

 

彼らの中国音楽シーンでの立ち位置がまったく分からないので、スタジアムライブと聞いてもピンと来なくてスルーしてたんです。
でも、ライブで二人が泣いたという話をなんとなく追っているうちに、音楽業界も注目せずにはいられなかった、すごくユニークな企画だったということがわかってきました。
まず、彼らの立ち位置の手がかりとして…

 

♫ 2010年に北京で結成。
♫ 2012年に1stアルバムを発表してインディーズデビュー。
♫ 2013年に事務所を設立。この年の5都市を巡るツアーでは1000人規模の会場が全て満席。
♫ これまでに3枚のアルバムと5曲入りシングル、その他複数の曲を発表。
♫ テレビで歌ったり旅番組などにも出演している。映画の主題歌も担当。
と、順調にキャリアを積んでいるんですが、しかーし!

 

会場となる工人体育場は、コンサート会場としてはマライア・キャリーや中国のトップスター、日本人だとSMAPやGLAYが立ったような北京最大級のスタジアム。
かたや二人はまだ有名とはいえない、地味~にギターを爪弾く新人フォーク歌手↓

スタジアムの気配は感じられない…(YouTube)

 

そんな彼らの作戦は、クラウドファンディングで資金を集めることでした。
周囲の最初の反応は、「ジョークでしょ? 無謀!」というような感じだったそうです。
しかし、99元(約1900円)投資すればチケットが1枚手に入るという思いきった設定が「中国音楽史上かつてない超低額チケット」として話題になります。

 

ふたを開けてみれば、6月に開始したこの資金集めは開始3時間でチケット5000枚を売り、1か月で目標額の200万元(約3800万円)を突破。8月末にはチケットも完売しました。
好妹妹工体万人演唱会(リンク切れ)

 

工人体育場にとっても、クラウドファンディングで行われるコンサートは初めて、インディーズのミュージシャンのコンサートも初めてと、とにかく異例づくし。
クラウドファンディング自体は珍しくないというか、中国でも流行っているんだそうですが、音楽業界の常識からかけ離れた劇的な成功例だったようで、このビジネスの部分にメディアの関心も集まりました。

 

そして、9月12日当日…

微博@Na23那洋
この会場が、



こうなりました!キラキラキラキラキラキラ音譜ゲラゲラ

微博@刘同
3万7000人!

 

二人が泣いたという話はまた次回に。NEW後編