神戸三宮 東遊園地  | アイビーの独り言

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加藤りつこのブログ



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竜のかたちに植え込まれた花時計

photo by Ritsuko



毎年1月17日の早朝、雪だるまのように着込んで ”はるカイロ” をたくさん貼って東遊園地へ向かいます。今年も阪神淡路大震災追悼の集いに参加しましたが、今年は例年以上にこの集いの必要性を感じた年でした。



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震災でマリーナ像が倒れ時計は止まった

photo by Ritsuko

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地震直後の倒れたマリーナ像と時計

photo by Ritsuko


街はきれいに整備され、大きなビルも建てられてすっかり震災の傷痕は見えなくなっています。

しかし、まだまだ見えない所では傷口も塞がらず、痛みと闘っている人たちも大勢います。17年も経つとその悲しみさえも語れなくなってしまう被災者の方々。

私のように被災地外で家族を失った者を、ある心ない人の口から、《被災者ではない》とまで言われ、孤独感に苛まれました。



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実行委員会の方々やボランティアの方々

photo by Ritsuko



そんな私たちが年に一度の悲しい日に集う場所、神戸三宮の東遊園地。

年月が経てば経つほど大切な場所となっていきます。


失った人の命は二度と取り戻すことはできません。復興なんてあり得ないのです。

その悲しみは、私たち遺族には生涯癒えることはありません。



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切り出された竹で作られた竹灯籠を組み

photo by Ritsuko
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次世代の子ども達もお手伝いに参加して

photo by Ritsuko


早朝5時46分の外気は冷たさを超えて痛みさえ感じます。

それでも私たちはそこへ行く・・・・・

誰に遠慮することもなく思い切り泣ける場所。思い切り涙を落とせる場所。




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1月17日午前5時46分寒い朝も灯の温もりで

photo by Sakikawa



寒い公園も大勢の人たちが寄り添う体温で暖かいのです。

数千本の竹灯籠に点したロウソクの熱も暖かいのですよ。


みんな皆、悲しい人たち・・・・・



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押しつぶされた夢 photo by sakikawa


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我が古里から運ばれた雪に涙が・・・・・

photo by Ritsuko
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大勢のボランティアの方々の手によって

photo by Ritsuko




今年は前日の東遊園地に行ってみました。

公園は、大勢の実行委員会の方々やボランティアの方々で埋め尽くされていました。

私は感激して胸が熱くなりました。

毎年、17日の早朝竹灯籠に火を点しお祈りする私たちですが、その大規模な集いを準備してくださる関係者の方々のご苦労の一端を見せていただき、この集いが継続された重みと深い意味を、改めて思いました。



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ボランティアの方々によって作られた雪像

photo by Sakikawa



若い人たち、特に高校生や大学生の多かったことにも、私は驚きました。

そして、《語り継ぐ》 ことの難しさを唱えられていたことに憂いていましたが、犠牲者追悼の集いが続く限り、若い世代にも語り継げることを感じました。



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慰霊碑のガラスの池に浮かべた白菊の花

photo by Sakikawa




毎年北陸からトラックで雪が運ばれ、雪像を作ってロウソクを点しライトアップされるのですが、前日に行った私は今年の雪が金沢からでなく、鳥取の奥大山から運ばれたことを知りました。

大きなトラックの両サイドに、《鳥取県奥大山・江府町》 と染め抜かれた横断幕が張られていました。

今年の雪は、私たちの住む中国地方から届けられたのだと思うと、一段と温かさを感じ涙が滲みました。



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はるかのひまわりを模して作られた黄色花

photo by Sakikawa



余談ですが現在、私は奥大山のミネラルウォーターを飲んでいます。

奥大山の雪も水も私には我が古里の温もりなのです。


雪を積み、雪を運び、雪を降ろす・・・・・

雪だけを見ても多くの人々の貴重な時間や労働が費やされています。


竹を切り出したり、筒に切ったり、筒に入れて火を点すキャンドルも多くの方々が、長い時間をかけて一つひとつ手作りされるのです。



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いつの間にか夜明けがphoto by Sakikawa




どうか来年も続けていただけますように、私ができることは費用の一部にと寄付をさせていただくこと。


これからもずっと私たちの泣ける場所を与え続けてくださいますように・・・・・

よろしくお願いいたします。


今年もありがとうございました。