昨日から今日の間には、平成21年から22年へ飛び越える厚い壁があった。
亡くした我が子の魂を背負って飛び越える私の心の壁は厚くて高い。
しかも昨年は丑年という想い入れの強い年だっただけに・・・
新しい年へ 石内の四季より
昨年、私はたくさんの出会いをいただいた。
その中でも、9歳で脳腫瘍が発症し10年間闘って、一昨年の12月に19歳という短い生涯を閉じた奈々ちゃんとの出会いは、衝撃的で、忘れることのできない出会いとなった。
その出会いは、歌手の絢香さんと繋がり、昨年11月には奈々ちゃんのご家族と一緒に、大阪城ホールでのラストコンサートに招待していただいた。
コンサート終演後、絢香さん側から面会のお話をいただき、私たちは絢香さんとの感激の対面ができたのだった。
絢香さんの繊細で温かいハートに触れ、奈々ちゃんのご家族は涙涙の再会を果たされた。その傍らで、きら星のように新たな出会いをいただいた私は、温もりのお福分けをいただいた。
そんな衝撃的な出会いの私に、絢香さんはとても親しく大切な出会いとして、誠意を持って対峙してくださった。
対面した絢香さんは、私が想像していた以上の澄んで輝いた瞳をした知的で素敵な女性だった。
他にも多くの素晴らしい出来事があった平成21年を見送る私には寂しさもあり、越年に対して少し抵抗感もあった。
しかし、今飛び越えてみると違う世界が見えて来たような気がしている。
凜と生きるホトケノザ 石内の四季より
21年の大晦日は白い雪が舞い、辺りを荘厳な静寂で包んでくれた。
明けて22年の始まりは、昨年の雪を受けて真っ白く神聖な一歩を踏み出した。
素晴らしい昨年があったからこそ、今年も素晴らしいスタートの時がある。
越年の寂しさを噛み締めていた私に、天からの白い便りが教えてくれた。
昨年から今年へ変わる0:00に、遠くで響く除夜の鐘を聞きながら、私は浄らかな涙を流した。
止めどなく流れる涙は一体何だったのか?
今年から、新たな気持ちで前進できそうな気がする。