ずりばいへのサポート 本日が最終回です。
皆さんがイメージするずりばいは、手足が交互にリズミカルに動いて、前に進んでいく感じですよね。ずりばいの完成形です。
手足を左右交互に動かして、身体の協調性が育ちます。
でも、これがなかなか難しい動き。
動きの発達の段階でいうと、一番ハイレベルな動き。
例えば、両手でじゃんけんする時、左右同じにチョキ出すのは簡単ですが、右と左で違うのを出すのは、ちょっと難しいですよね。そんな感じです。
私たちの動きって、4段階で発達しますよ。
一つ獲得すると、次の段階に自然にうつっていきます。
脊椎の段階(身体の中心が分かる、背骨が使える)
↓
相同の段階(両手・両足を一緒に使える)
↓
同側の段階(右と左が片側ずつ別々に使える)
↓
対側の段階(左右がチームになって違う動きを自動的にできる)
ずりばいの完成形は、「対側の段階」
だから、その前に「脊椎→相同→同側」の動きを十分にやって獲得していないと、対側の動きは出てきません。
もちろん、今まで書いてきたように、
腕がしっかり前に伸ばせる、手のひらがしっかり開ける、首が360度の方向を向ける、ウエストや股関節がほぐれている、身体の軸が真ん中に育っている、足を引き寄せる筋力があるなどなど身体の面でも、ずりばいをしやすい身体になっていることが必要。
この身体になっていると、ずりばいの4ステップが自然に進んでいきます。すると自然に動きの4段階もクリアしていくことができます。
ずりばいの完成形の対側の動き(左右がチームになって違う動きを自動的にできる)は、これからハイハイや高這いなどでもより磨きがかかり、最終的に二足歩行がスムーズにできるようになります。
キッズさんになってから、スキップやボール投げ、ボールけりなども、対側の動きが獲得できていると楽しくスムーズにできます。そして、日常生活のあらゆる場面でも使われます。
☑食器を持って食事をする。
☑鉛筆を持って、字を書く。
☑消しゴムで、紙をおさえて、字を消す。
☑紙をきれいに折る。
☑ハサミで紙を切る。
☑トイレットペーパーを切る。
☑包丁で野菜を切る。
☑ドライヤーとくしで髪を整える。 などなど
対側の動きの獲得は、生活しやすい身体になるということ。
生活しやすい身体には、身体の感覚も大事になります。
基礎感覚といって、普段無意識に働く感覚で、重力のある世界で姿勢を維持したり、身体の動かし方が分かったりする感覚です。
基礎感覚がしっかり発達すると、ボディイメージがしっかりできるので、身体をスムーズに上手に使うことができます。
固有覚(骨や筋肉、関節に力が加わると感じる)
触覚(皮膚に圧がかかると感じる)
前庭覚(頭の傾きを耳の奥で感じる)
これら3つの基礎感覚も、ずりばいをたくさんやるとしっかり育っていきます。床に身体をズルズルと引きずって、全身の筋力をグーっと使って動くことで、どんどん基礎感覚が入力されていきます。すると、とっても生活しやすく、使いやすい身体になりますよ。
さらに、身体と心は一体ですので、左右切り替えがスムーズにできることによって、実は気持ちの切り替えもスムーズにできるようになるのです。これ、キッズさんになってから、自分の感情をコントロールしていくのに、とっても大事なポイント。
ずりばいのすごさ、奥深さは、本当に知れば知るほどびっくりなんです。
ぜひ、身体調和支援のマッサージ&体操をできるだけ早く取り入れて、わが子が楽しくたくさんずりずりばいができる身体になるよう、その手でサポートしてあげてくださいね。
ぜひ、なる早で!