木曜の夜に羽田を立ちまして、ロスへと向かいました。
すみませーん、乗り換え便に間に合わないので先に通していただけますかー!
通路に立つ人を軽やかにかわしてスイスイと前に躍り出る。おっと、泰三くんが外国人につかまっているぞ。助けてほしそうにこちらを見ているが、そんな難易度の高い英語は分からないので無視を決め込んだ。
(╬ಠ益ಠ) あああああ!!!
ひとしきり笑ったら気持ちに少し余裕が出た。
殺気立って答えたけれど、察しないんでしょどうせ。
日本よりなにかと大雑把なはず。めげずに保安検査場へ並んだ。案の定チンタラした作業だけれど、驚くのはどれだけ並ぼうが作業効率を上げる気はさらさらないの。焦るとか急ぐって、日本人だけの特性なのかしらね。
泰三くんへの誕生日プレゼントのセドナ旅行です。ちなみに6月生まれです。
ロサンゼルス空港で乗り換えてフェニックス空港まで行き、そこからシャトルバスで2時間かけてセドナへ。
すべての予約と時間配分はバッチリです。
世界でも有数の激混み空港であるロサンゼルス空港では、入国審査でまーーーーうんざりするほど待たされます。前回のセドナ旅行で経験済み。乗り換え時間を3時間確保してあるから、余裕でフェニックス便へ挑むのです。
が。
まさかロスへの到着が30分遅れるだなんて。
これはマズイことになりそうだ。
不穏な空気を感じたわたしは「これよりすべての通信機器をお使いいただけます」のアナウンスと共にレンタルした海外用のWi-Fiの電源を入れ、乗り換えのアメリカン航空のターミナルを調べた。
アメリカン航空はロスアンゼルス空港の複数のターミナルを使っていて、きっと事前に調べたところで直前になって変更されるんだろうから降りてから空港のモニターで確認しようと思っていたけれど、直前って今だ。今しかない。
どうやらわたしが予約したのは5番ターミナルからの出発で、これから降りる国際ターミナルからは近いようだ。
入国審査の列に可及的速やかに加われば何とかなるかもしれない。
シートベルト点灯サインが消え、可及的速やかに起立。すぐに通路に出なければ。しかし通路側にいた泰三くんはなかなか遠慮して出られないようだ。よし、わたしが最前戦に立とう。
すみませーん、乗り換え便に間に合わないので先に通していただけますかー!
通路に立つ人を軽やかにかわしてスイスイと前に躍り出る。おっと、泰三くんが外国人につかまっているぞ。助けてほしそうにこちらを見ているが、そんな難易度の高い英語は分からないので無視を決め込んだ。
しかし泰三くんは華麗な英語で切り抜けて、最後はあっちの列が空いてるぞとアドバイスもくれたうえにグッドラックと幸運を祈られた。あの人はいつもそうやって応援される天才だわ。
忌々しい機内からようやく抜け出て空港の廊下を全力疾走。入国審査の列に並んだ。日本の入国審査と違って、こちらは何やら談笑していてやたらと時間がかかる。何はなしてんだ?私語を慎まないからこんなに並ぶんじゃないのか?
入国審査のゲートを90分で抜けられれば、なんとか。
並んで1時間が経った時に後ろの列を見ると、同じ飛行機に乗っていた人たちが遥かかなたにいた。そこはわたしたちが30分前にいた場所だった。先に通していただいて本当によかった。
目安の時間の90分が過ぎてもまだまだ順番は回ってこなかった。列をさばいてる空港スタッフに直談判を試みる。
列から離れるわけにはいかないので、エクスキューズミー!と言ってこちらに呼び寄せた。
アイハブネクストフライト!と言って乗り換え便のeチケットを見せた。空港スタッフはそれを一瞥して「to Phoenix」と答えてどこかに消えた。
えっ、それってどういうこと?優先して審査を受けさせてくれるのくれないの!?
そこではたと気付く。ここは察する文化のない国だということに。
次のフライトがあるからどうしてほしいのかを言わなきゃ分かんないだった。
ということは、わたしがやったことはこういう会話になりますね。
ねぇねぇ見て見て!
わたし乗り換えるの〜!!
そう、フェニックスに行くのね。
(╬ಠ益ಠ) あああああ!!!
ひとしきり笑ったら気持ちに少し余裕が出た。
そこからさらに待たされ、やっと!やっと!わたしたちの番がきた。
入国の目的や滞在日数を尋ねられ、パスポートに判子を押してもらった。よっしゃもうすぐだ!と思ったら。日本語でスマイルってどう言うの?と追加の質問が来た。
(╬ಠ益ಠ) わらう
殺気立って答えたけれど、察しないんでしょどうせ。
入国にまったく関係のない談笑が、ロサンゼルス空港が激混みの要因のひとつだと思われます。
さて、そこからスーツケースを受け取り、税関をすり抜け、乗り換え客用の手荷物受付に向かって走る。
航空会社を聞かれてアメリカンエアラインと答えたら「エイエイはあっち」と教えてもらってまた走る。なるほど、アメリカンエアラインだからAAか。
手荷物受付でまた航空会社を聞かれ、泰三くんがなぜか日本からの便のチケットを取り出した。スタッフ数人に「過去じゃなくて未来よ!」と笑われた。そこでさっき覚えたての「AA to Phoenix」で伝わる。結局そこを離れるまで「future!」と言われた。
スーツケースを預けて身軽になり、こんどは5番ターミナルへまた走る。アメリカン航空にチェックインしなきゃ。ゼイゼイ言いながら自動チェックイン機で済ませたら、搭乗時間は19:10とある。今は19:03。あと7分で体と荷物をスキャンする保安検査場を抜けて搭乗口に出るなんて到底無理だ。でも、諦めないで!
ここはアメリカ!
日本よりなにかと大雑把なはず。めげずに保安検査場へ並んだ。案の定チンタラした作業だけれど、驚くのはどれだけ並ぼうが作業効率を上げる気はさらさらないの。焦るとか急ぐって、日本人だけの特性なのかしらね。
搭乗時間を20分も過ぎてやっと!やっと搭乗口に到着した。ギリッギリだったのにも関わらず、さらに遅れて現れる乗客がいたりでアメージング。何とか無事に乗り込みました。
もし通路をグイグイ進んでなかったら、もしAAのターミナルを調べてなかったら、絶対に遅れていたことでしょう。そうなると次の便でフェニックスに着いたとしても、シャトルバスはもう終わっているからその日のうちにセドナに着くことは叶わなかった。
よかったー、わたしが図々しくて。
というわけで、いまここ。
ついでにね。
ほら、ご覧。
飛行機の窓から見えたロスの夜景だよ。