昨日ニュース見た?
東京の夜はそりゃもうとてつもない大雨だったんですよ。
スタジオを出たのが19時。
ディレクターさん情報では20時ごろに雨が降るらしい。でも1時間後はいくらなんでも家に着いてるから大丈夫だね、とマネージャーさんと余裕で別れバス停へ。
バスに乗り込んで10分くらいした頃でしょうか。窓にポツリポツリと水滴が落ちはじめ、外がビカビカ点滅し始めました。
やがて雷の間隔が5秒刻みになり、むしろ光ってない時のほうが珍しいほどで。途中で乗りこんできたお客さんはみんなずぶ濡れ。手に持った傘はバッキバキに壊れているではないですか。
乱闘?
いいえ違います。
窓の外が見えないほどの叩きつける雨。昭和のパチンコ屋さんのネオンサインのように途切れない稲光。
時おり聞こえてくるバス会社からの無線では、道路が冠水している可能性があるので無理せずとにかく安全を最優先に、との指令が。
そんなにヒドイのか…見りゃ分かるけど。
我々の命は運転手さんに預けることに。でもものすごく冷静に、丁寧なアナウンスで安心させてくれます。降りるお客さんには「歩道が冠水してるから気を付けてくださいね」と声をかけたりして。
しかし困ったぞ。
もうすぐわたしは降りるんだけど、降りた瞬間に雷に狙い撃ちされそうだ。間一髪よけられたとして(いや無理だろ)、1メートル歩いただけで全身水浸し。家までたり着ける気がしないわ。
ということで、終点まで乗っていくことにしました。
東京ってほんとにスゴイのよ。何がスゴイってマナーのよさ。
ずぶ濡れ組は座席が空いていても座らないの。隣に座っているわたしたち乾燥組や座席が濡れないように、立ったままでいてくれるの。
せいぜい乾燥組に出来ることは濡れた体が冷えないように、冷房の吹き出し口をオフにするくらい。不思議な一体感がここに誕生しましたね。
そしてようやく終点へ。運転手さんありがとう。
みんなが少しだけ親切になればどんな時でも快適に過ごせるんだよね。
そして嘘みたいに乗客のいない電車に乗り換えて、無事に最寄り駅までたどり着きました。
最寄り駅では小雨になったところらしく、足止めをくらっていた人たちで駅前のスーパーが混み合っている。お腹がすいていたわたしはお弁当屋さんへと回避しました。
出来立てのお弁当を買ってホクホクして外に出てみると、にわかには信じがたいんだけど大雨に戻ってる。
そんなにわたしをびしょ濡れにしたいのか!
家まで急ごう。お弁当が温かいうちに食べるんだ、と早足にしようにもサンダルが滑ってうまく歩けません。
時おり光る稲妻に「ひゃー」と声を出したら、わたしを追い越そうとしていた小学生の女の子がゆっくりと先導するように歩いてくれました。
ありがとうね、わたしのほうが随分と長生きしてるのにね。
不思議な間合いで黙々と歩き続け、彼女は家に着いたようで滑り込むように玄関へ入っていきました。
わたしの家もすぐそこ。結果スタジオを出てから2時間くらいかかったかな。
あんな雨は初めて。
今夜は昨日の雨を嫌というほど浴びて自慢気に葉っぱを伸ばしていたニラを、海老と一緒に炒めました。
バスの中の素敵な話しといえば、こちらも。
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これ、自分でもお気に入り。