夜は電車でちょっと移動して下北沢の「劇」小劇場で動物自殺倶楽部の「夜会行」を観た。

 

****** 演劇サイト より******

四人のレズビアン
一人のクエスチョニング
どこにでもある日常
ありふれた一夜
そしてささやかな偶然の物語

はやいもので鵺的での初演から三年が経ちました。
当時から若手版をやってみたい、演出を女性にまかせたものを観てみたいとおもっていましたが、
ついにそれを実現することになりました。
コロナ過をダイレクトに反映させた初演版をどう改訂するか、いまはその点に頭を悩ませています。
ストーリーが変わるわけでも、キャラクターが変わるわけでも、テーマが変わるわけでもありません。
時代を超えて問うべきなにかを維持する作業に、いまはつとめています。
お客様にもその「なにか」を見いだしていただけるなら幸いです。
どうかご期待ください。

***************

 

ここにあるように、初演はコロナ禍の三年前。作者の高木登が主宰の演劇ユニット鵺的の作品として、寺十吾の演出で新宿サンモールで上演されている。

ちなみに今回の演出は同じく鵺的の小崎愛美理が

 

上記の演劇サイト(CoRich舞台芸術)のレビュー欄に投稿している人たちは多くがその2021年の舞台も観た方たちで、それぞれに2つの舞台を比較していて、なるほど〜と思う点が多々あるので、一読の価値あり。

 

 

劇場も演出家も違うというところで、再演とは言えかなり違ったものになったようだ。

 

CoRichレビューでも触れているように、劇場に入って一瞬で、同性愛者の彼女たちの夜会=誕生日会の集まりの場所となっているカップルが住むマンションのセット(美術:合同会社およぐひと)に大いに興味をそそられた。

横幅が広い劇場いっぱいにリビング、ダイニングらしきスペース、キッチン、そして玄関へと続く階段(下手)、さらにはプライベートスペースへと続く階段(上手)までもが(幅に反して)奥行きのない空間に綺麗に収まっている。

舞台手前には幅いっぱいに窓ガラス(透明の仕切り)が配され、外の世界から隠された場所、夜会というイメージを作り上げている。

 

レズビアンに限らない社会的マイノリティの人たちの話、という意見もあるが、この作品はむしろレズビアンの人たちのお話し、と明確にさせた方が良いのではないか。

LGBTQの中にヘテロが組み込まれる(同等に考える)のが当たり前だろうと思う自分としては、ロミオとジュリエットのような異性間の恋愛と同様に、LGBTQの人たちの恋愛も語られるべきであろう、と。(ちなみに最近観たマシュー・ボーンの「ロミオ+ジュリエット」では男性同士の恋愛も同等に扱われていた)その意味で、今はまだ社会の中で同性愛について理解が足りていない状況かもしれないが、もっと認識を進めていくためにも、彼女たちの恋愛を普通のこととして描いても良いのではないかと思った。

 

そこで今作についてだが、親しい友人の夜会で起こった一連の会話、成り行きがどうにも露悪的に、露悪的なショックを与えることばかりに向かっているように感じられたからだ(得に元彼の発言は、今どきあり得ない)。

 

去年観た↓こちらの作品でもレズビアンのカップルに起きた難事を描いていたのだが、こちらはあくまでもみんなが理解が次へ進むための提案という姿勢を感じたのだが、今回の作品に関しては暴くだけで終わっていたのでは。。。

CoRichのレビューの中にこの芝居は誕生会を開いたカップルの冷めかけた関係、彼らのその後を占う一夜の出来事の話、、と書いている人がいて、、なるほど。。と、そこを、そこまで描いてくれたらLGBTQ+ヘテロ、つまりみんなに向けての恋愛劇となったのかもしれない。