先週に続いて、座・高円寺で”明後日の方向”の2本立て公演2作目、福田善之の傑作「長い墓標の列」を観た。

 

 
***** 演劇サイト より あらすじ ******
 
太平洋戦争前夜の東京。大学教授の山名は、日本中で勢力を伸ばす全体主義にあらがっていた。辞職に追い込まれた山名の元に、共に辞表を提出した弟子の城崎が訪れ、自分は大学に戻ることにしたと告げる。「人間の努力は無限大」と語る山名と「人間は弱くだらしないもの」と語る城崎が激しく対立するクライマックスを経て、日本は戦争に突入する。「河合栄治郎事件」と言われる実際の事件をモチーフにした、福田善之の傑作。
 
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国という社会の基盤にあっての人間の不条理を正面から見つめる論争を扱ったこの傑作戯曲が面白くないわけがなく、最後まで面白く観たが、一方でその手強さを痛感する上演でもあった。
 
その魅力的な台詞に力がこもるのはわからないではないが、叫ぶ、怒鳴るではその緊張がかえって伝わらないということも。。
 
また、男女を逆さまにした意図も(別に女優が男の役を演じることに意義はないが)、その効果という面から疑問に感じるところもあった。
 
*「公演のための作業」から、演劇を自由にします。 ー>というこのサークルのミッションが導く落とし所の難しさ、を想像させる舞台でもあった。