八.東の楼閣の厄介なモノ(5) | のあのあlife

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『雲が描いた月明かり(구르미 그린 달빛)』に史上最強にどハマリしてしまい♡2017年も自分の勉強兼ねて原作小説を翻訳しつつ、パク・ボゴム君とキム・ユジョンちゃんのボユカップル、密かに熱烈に応援中です~♡(笑)
2021年4月、またこのブログ再開します☆

しばらくした後、茂った雑草畑の間で、三人の顔が、ひょこっと現れた。彼らは、息を殺したまま、楼閣の中を覗こうとしていた。満月の月明かりが映し出す楼閣の一角には、白い白装束の少女が座っていた。何がそんなに悲しいのか、少女はしきりに袖で涙にまみれた顔を拭っていた。

茂みの間に隠れて、その光景を見守っていたラオンが、ヨンを振り返り、小さく囁いた。

「どう見えますか?人でしょうか?そうでなければ、幽霊でしょうか?」

「そうだな。幽霊のようにも見えないが、正常な人がこのような夜更けの時刻にこんなところで泣いているというのもおかしなことだな・・・。」

他でもない、ここ、資善堂で。

「ところで、なぜあんなにも泣いているのでしょうか?」

「私たちに分かるのか。」

ずっと黙っていたビョンヨンも、一言口を挟んだ。

「アイツよりも、俺たちがどうしてこうしているんだ?」

問いに答える代わりに、ラオンは突然立ち上がった。ヨンも、つられてその場で立ち上がった。

「また、どこへ行くのだ?」

「女人が泣いているのです。」

「して?」

「これ以上の理由が必要ですか?女人が泣いているのに。」

ラオンは生い茂った雑草をかき分けて、楼閣へと近づき始めた。

「アイツは一体なんだ?」

理解できないというように、眉間を顰めながらも、ヨンはラオンの後についた。

「・・・・・面倒な奴。」

ずっと、気が進まない顔でいるようでいないようにその場を守っていたビョンヨンも、また、二人の後を追った。

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気付けば随分日がたってました(笑)

 

これから始まる3人の関係性が楽しみですね♡