九.満月の晩(1) | のあのあlife

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『雲が描いた月明かり(구르미 그린 달빛)』に史上最強にどハマリしてしまい♡2017年も自分の勉強兼ねて原作小説を翻訳しつつ、パク・ボゴム君とキム・ユジョンちゃんのボユカップル、密かに熱烈に応援中です~♡(笑)
2021年4月、またこのブログ再開します☆

ラオンはゆっくりと、慎重に、楼閣へと向かって近づいた。楼閣の少女は、ラオンが近づいてきているのも気付かぬまま、悲しみに暮れて涙を流していた。

「もし・・・。」

いつの間にやら楼閣に上がったラオンが、少女を呼んだ。瞬間、すすり泣く声がぴたっと止まった。驚いた少女は、丸い目を回して辺りをきょろきょろ見回した。

「あ!」

やがて、ラオンを見つけた少女の口から、驚いた悲鳴が漏れた。顔の半分が目ではないかと思うほどの大きな目にはすぐに恐怖で染まった。当然の反応だった。こんなにも真夜中に見知らぬ男と会って驚かない女性がいるとしたら、それはきっと・・・・怨霊だ。

そんなにも驚いているところを見ると、少なくとも怨霊はないでしょう?

「驚かないでください。怪しい者ではありません。」

ラオンは、少女を安心させるために、笑みを見せた。傷つけることはありません、とでも言うように、両手をあげては、ゆっくり、一歩一歩、慎重に近づいた。そのおかげだろうか?少女の目に秘められた恐怖の光が、少しは薄まったように見えた。

しかし次の瞬間、何を見たのか、少女の大きな目がさらに大きくなった。幼い子の目は、恐れを超えたそれ以上のなにか、感情のようだった。

「どうしたの?どうかしたの?」

ラオンは急いで少女の視線に向けて首を向けた。やがて、視線に、ビョンヨンと花草書生(ファッチョソセン)の姿が映し出された。いつものように感情のない表情のビョンヨンが、楼閣の隅で立っているので、これを見ては到底驚かないわけにはいかないようで・・・・・。ラオンは、楼閣の内側に大きな顔で入っているヨンをじっと見つめた。

花草書生のせいだったのね。

何か気に入らないとでも言うように眉間に皺を寄せるヨンの厳しい表情が、少女を恐れさせているに違いない。

「花草書生(ファッチョソセン)。」

ラオンは小さな声でヨンを呼んだ。

「なんだ?」

少女を眺めていたヨンが、ラオンに目を向けた。

「笑ってください。」

「なぜだ?」

「こうやって、笑わなければなりません。驚くじゃないですか?」

ヨンの表情を真似して眉間を顰めていたラオンが見て、俳優のように華やかに笑って見せた。

「何をだ?どうやれと?」

ヨンの眉間に深いしわが刻まれた。

それとともに、驚いた兎のような目で彼らを交互に見ていた少女が、素早く体ふりかえると逃げ出した。

「ちょっと、待ってください!少しだけ待ってください!」

ラオンが慌てて叫んだが、少女は闇の中へと消えてしまた。

「花草書生のせいで怖がってこうなったんじゃないですか?」

憎からずヨンを睨んだラオンが、少女を追って走り始めた。しかし、楼閣をちょうど出ようとした瞬間、ふらついてしまい、楼閣の階段を下りようとしたところでつい、落とし穴を踏んだ。

「おおお!」

驚いた口から甲高い悲鳴が漏れていた。小さなヒヨコのように両腕をばたつかせている姿が、今にも床に倒れそうでハラハラさせられた。このまま真っ逆さまに落ちたら、どこ一つ折れるにしても、ぽっきりと折れるだろう。ラオンはすぐにくる瞬間の痛みを想像し、両目を閉じた。

しかし、次の瞬間、腰に、どっしりとした違和感が感じられた。再び目を開けた時、黒い夜空をそのまま映し出した瞳と向き合った。

「キム・ヒョン。」

「本当に死霊(ウォンホン・寃魂えんこん)にでもなりたいのか?」

ビョンヨンの言葉に、ラオンは首を回して足元を見つめた。知らなかったが、楼閣の下の方は、月の光が絨毯のように敷かれた、深い池だった。危うく、資善堂の池に落ちて死んだ五番目の人になるところだった。

「ありがとうございます。」

少し前まで、楼閣の隅で立っていた方が、いつの間にここまで来たのかしら?

とにかく、おかげで水に陥る危険を逃れることができた。ぺこりと頭を下げているラオンの後ろから、ビョンヨンの声が降ってきた。

「面倒な奴。」

愚痴をこぼしながらも、ビョンヨンは、ラオンを楼閣の内側へと引き寄せることを忘れなかった。

「面倒をかけて申し訳ありません。」

ビョンヨンに襟首を掴まれたまま、荷物のように楼閣の内側に引きずられているラオンが言える言葉と言えば、これしかなかった。

 

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←キム・ヒョン

「面倒な奴。」

 

一巻久しぶりです!!やっぱりここからも面白い(笑)

いよいよ四巻に突入し・・・

ヨンとラオン、かなりかなり・・・♡な関係になってしまわれました(笑)きゃわわ~~~(*´艸`*)

 

そのあたりのヨン、ビョンヨン、ユンソンが良すぎて・・・

いや、最初から(ここからもうちょっとしてからです♡)もうふらっふらでしたが・・・

  のあは、ドラマではなかったダークユンソンが、本当に、ちょっと、別のエンディングも欲しいくらい(笑)きゅんときたりします・・・。いや、本当に容赦なく血を見せるので、怖いんですが・・でもね、本当にラオンには、ラオンにだけは・・・という部分があり・・

 

またちょこちょこ進めますね!