八.東の楼閣の厄介なモノ(4) | のあのあlife

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『雲が描いた月明かり(구르미 그린 달빛)』に史上最強にどハマリしてしまい♡2017年も自分の勉強兼ねて原作小説を翻訳しつつ、パク・ボゴム君とキム・ユジョンちゃんのボユカップル、密かに熱烈に応援中です~♡(笑)
2021年4月、またこのブログ再開します☆

嘘ではなかった。ビョンヨンとは確かに同室で過ごす、同宿する間なのは確かだった。もちろん、ラオンの言う同宿と、花草書生(ファッチョソセン)が受け取る同宿には差があった。でも、それがどうだというの?方法はともかく、目的だけ達すればよい(直訳:横にはっても漢陽に行きつけばよい)のだが、かくして花草書生(ファッチョソセン)の心を静めることができるなら、何も関係はなかった。これで、もう自分の者(ネ サラム)になれとなんて言わないでしょう。すでに他の人と同宿までしているというのだから、これ以上は・・・。

「それが何だと言うのだ?」

予想とは違ったヨンの反応に、ラオンは目を丸くした。

「はい?」

「お前がその者と同宿することが、私の人となることと、何の関係があるからと、そう言うのだ?」

ラオンと、ビョンヨンを交互に見ながら、ヨンが尋ねた。

「関係ないのですか?」

「関係ない。」

「もしかして、同宿がどのような意味であるのかをご存じないのではないですか?キム・ヒョンと私、一緒に寝る仲なのですよ。花草書生(ファッチョソセン)にとっては、関係ないのかもしれませんが、私には関係あります。いえ、うちのキム・ヒョンにも、関係のあることです。そうですよね、キム・ヒョン?」

ラオンは、ヨンに気付かれないように、懸命にビョンヨンに向かって片方の目をつぶり、脇腹をつついた。

「キム・ヒョン?」

「はい。この方はまさに、『私のキム・ヒョン』です。」

「お前のキム・ヒョン?」

「はい。もうそうなったんです。」

何か気に入らないような表情で眺めていたヨンが、突然ビョンヨンに向かって、顎を動かすと聞いた。

「いつ帰ってきたのだ?」

「数日になります。」

「戻ったのならすぐに私のところへ来るべきだろう。」

「こちらへ訪ねて来られなかったではないですか。」

「横暴な奴。」

言葉ではそう言ったが、ビョンヨンを見るヨンの目つきはそうではなかった。

「お二方は・・・お知り合いなのですか?」

二人の間に挟まって顔色を窺っていたラオンが、ビョンヨンに小さな声で聞いた。

「もしかして、あの方が、キム・ヒョンにも自分の者になれなどとおっしゃいましたか?」

ラオンの問いにビョンヨンは黙っていた。それはきっと肯定を意味する沈黙だった。ヨンを見つめるラオンの目つきが細くなった。

この人、完全に常習犯だわ。比較的見かけのよい男たちは皆自分の人にしようだなんて。もしかしたら、キム・ヒョンが大梁の上に上がる理由は、花草書生(ファッチョソセン)を避けるためなんじゃない?そしたら、東の楼閣には行くなというのも、全て花草書生のせいなの?

ラオンは慎重に、ビョンヨンの袖を引っ張った。そして、さっきよりももっと小さな声で囁いた。

「キム・ヒョン、もしかして、このことですか?」

「何が?」

「私に気をつけなさいとおっしゃったことです。東の楼閣の厄介なもの、もしかして、花草書生(ファッチョソセン)のことをおっしゃっていたのですか?」

ラオンがヨンを指して、無邪気な目で聞いた。瞬間。二人の男の口が、同時に開かれた。

「誰が東の楼閣の厄介な者だというのだ?」

「花草書生(ファッチョソセン)?」

しばらく、沈黙が流れた。ヨンをじっと見ていたビョンヨンの口から、とうとう笑い声がこぼれた。

「・・・・・っく。」

それとともに、ヨンからは、っち、と、歯の音が聞こえた。

「怒ってしまわれたのですか?」

「聞いて気持ちのよい話だったか?」

「だから、聞こえないように小さな声で言ったんじゃないですか。」

耳ざといこと。それほど小さく囁いたのに、どうしたらそれを聞いて気分が悪くなれるというのかしら。

「本当にお前が死にたいようだな。」

ヨンが怒った猛獣のように唸りながらラオンへと向けて、足を運ぶときだった。

「ふぅ・・・・ふっふっふ・・ふぅ。」

どこからか聞こえてくる低いすすり泣きに、三人は一瞬固まった。

「お聞きになられましたか?」

ヨンを避けて逃げていたその姿のまま固まってしまったラオンが尋ねた。

「聞いた。」

ラオンに向けてまさに飛びかかろうとしていた姿のまま固まってしまったヨンが頷いた。

「あっちのようだが。」

そのそばで無関心に座っていたビョンヨンが、楼閣を指した。三人の視線が、一斉に古い楼閣に集中した。

「ふぅぅっ、ふっ、ふっふっふ・・」

その視線に気づいたのだろうか?また、泣き声が聞こえてきた。

「今度も聞こえましたか?」

再度確認するラオンの問いに、ヨンが再度答えた。

「聞こえる。」

「泣き声で間違いないですか?」

「間違いない。」

ヨンが答え終わるや否や、ラオンは近付こうと歩き始めた。しかし、今回も、何歩も離れることができず、ヨンに襟首を掴まれてしまった。

「あっ!何をするのですか?」

「そう言うお前は何をしているのだ?今、どこへ行くつもりなのだ?」

ラオンが草むらの向こうを指さした。鬼哭声(クィゴクソン)が聞こえてきたまさに、そこだった。

「そこになぜ行く?」

「気にはなりませんか?」

ラオンが目を輝かせながら反問した。

「何が?」

「何の理由でそのように悲しげに泣くのか。本当に気にはなりませんか?」

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ラオン、ヨン、ビョンヨンの初めての対面ですね(笑)やり取りがここから本当に面白いです♡

 

「私とキム・ヒョンは同棲している関係なので、あなたの人にはなれません。」

 

・・・・・・。(ムッ)

 

「ね??キム・ヒョン!」

「・・・・・・・。」

「・・・・・。(ゴホンッ)」

「・・・・・。ファ・・・花草書生・・・ぶ。(笑)」

 

 

 

やべ。

・・・・・。

 

ラオンとの会話、こうやって、成り立つようで微妙に予想外のことを言うんですよね(笑)ラオン。可愛いです♡