八.東の楼閣の厄介なモノ(1) | のあのあlife

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『雲が描いた月明かり(구르미 그린 달빛)』に史上最強にどハマリしてしまい♡2017年も自分の勉強兼ねて原作小説を翻訳しつつ、パク・ボゴム君とキム・ユジョンちゃんのボユカップル、密かに熱烈に応援中です~♡(笑)
2021年4月、またこのブログ再開します☆

ひょっとしたら、これは満月が作り出した幻想なのかもしれない。青い月夜が描いた、前世の片鱗かも・・・・。まぁ、何でも構わない。問題は、どうして、他でもないあの男の顔が、見えるのかって、いうこと。

「最近全く眠れなかったから、幻想が見えるのね。」

結局、目の前に立っているヨンの存在を幻想として見ていたラオンは、手の甲で目尻をごしごしと擦って、足の向きを変えた。しかし、たった一歩出すこともできないうちに、ヨンに、襟首を掴まれてしまった。

「お前がどうしてここにいるのだ?」

ラオンと目線を合わせたヨンは、眉間を寄せた。

私の人(ネ サラム)になれと言った時は嫌だと言って威勢よく逃げて行った奴が、何のためにここにいるんだ?コイツを探すために人まで送ったが、最後まで見つけられずに帰ってきた。そんな奴に、思いもよらぬところで会えたことで、驚きと、荒唐無稽さとが交差した。

驚いたのはラオンも同じだった。

「本当の花草書生(ファッチョソセン)なのですか?」

幻想だと思っていた顔が突然近づくと、ラオンは目を見開いてしまった。ふと、草花書生の身体から出る香りが、彼女の鼻先をくすぐった。クチナシの花(チジャコッ)の香りかな?お母さんが好きなユリかしら?それでもなかったら、麝香鹿(ジャコウジカ)の香りかしら?花草書生の身体には、満開になった春の野の香りが一杯だった。

とにかく・・こんなにも香りが鮮明なことを見ると、鬼神でもなければ、幻想ではさらになさそうね。

「この私をずっとその変な呼称で呼ぶつもりか?」

ヨンが、ラオンの黒い目を見つめて話し続けた。

「ところで、お前がどうしてここにいるというのだ?」

「私が聞きたい言葉です。花草書生(ファッチョソセン)がなぜこちらにいらっしゃるのですか?」

丸く開いたラオンの目が、今度は細められた。

「まさか、私を追って来られたのですか?」

ラオンは彼が男が好きな人だと言う事を思い出した。

あの日、自分を眺めていた目つきは尋常ではなかったけれど・・・ここまで追って来たの?

ヨンが、ラオンの頭に軽くげんこつを食らわせた。

「冗談はやめろ。返事からしなさい。お前がどうしてここにいる?」

「私は仕事のため、ここにいるんです。」

ヨンがラオンの上から下までをじろじろと見つめた。すぐに、彼の目に、ラオンが来ている緑色の官服が入ってきた。宦官たちの着ている官服に間違いなかった。ヨンの口元に、長い笑みが浮かんだ。理由は分からないが、逃がしてしまった獲物に、再び出会えたような気分だった。

「この前は両班のふりだったのが。今度は宦官のふりか?その才能もよいものだな。」

雲従街を闊歩していた奴が、どんなふうにして宦官になったというのか?あっちにふらり、こっちにふらりと(あちこちに出没する例え)。全く想像もしていなかった場所にひょこっと飛び出してきたのだから、実に呆れた奴だ。

「宮殿がそのように適当に見えますか?偽物のふりでなれるほどに?」

「盗人猛々しいとはよく言うが、畏れ多くも偽物両班を装った奴が何を言うことがあるだと?有口無言だとしても足りない状況だと言うのに、差し出がましくもどこにいきり立っているのか!」

「・・・・・・。」

聞いてみると、間違った言葉でもない。ラオンは唇を真っ直ぐに固く閉ざした。

「変装じゃないなら、本当に内侍(ネシ)になったのか?」

「有口無言でございます。」

「コイツッ!」

ヨンは取って食うように獰猛な睨みつけた目つきで、ラオンを脅した。

言うなとおっしゃったからです。

悔しい気持ちに、大声でも出したくて睨み返していると、ヨンの顔が、ラオンの目の前にぴったりと詰め寄ってきた。

何?なんでこんなに綺麗なの?男なのに女人よりももっと綺麗だなんて、どうするつもりなのかしら?

わけもなく急にうろたえ始めたラオンは、虚空に視線を移すと、話の糸口を探した。

「お金に騙され、些細な文章に騙されて、ここにおります。これ以上は聞かないでください。とにかく、花草書生(ファッチョソセン)はこちらで何をしていらっしゃるのですか?まさか、私を探すためにこちらまで追って来られたのですか?」

「私がそんなにも暇人に見えるのか?」

「そんなにもお忙しそうにも見えません。」

「罪を犯しておいて逃げ出した奴が随分だな。」

「逃げたわけではありません。」

「跡形もなく、消えたのではなかったか?」

「事情があって、少し家を出ただけでです。とにかく、本当に花草書生(ファッチョソセン)はどうしてここにいらっしゃるのですか?ここがどこだかはご存じなのですか?雑草畑が生い茂っていてよく分かっていらっしゃらないようですが、ここはいわゆる、宮殿です。宮殿。」

「知っている。」

「何か間違って認識されていらっしゃたんじゃないですか?もしかして、よく通っている妓楼と勘違いしたんじゃないですか?ここは、本物の宮闕(クングォル)ということですよ。王様(上監媽々:サンガムママ)の住んでいらっしゃる、宮闕です。」

「知っていると言っているではないか。」

「それでは、ここが資善堂ということもご存知ですか?」

「むろん、知っている。」

ヨンのあまりにも平然とした態度に、ラオンは、今さらな視線で彼のことをくまなくよく見た。花草書生、ただのどこかの高貴な両班の家の子息であるとばかり思っていたけれど・・・・そうじゃないようだわ。確かに、思い返してみると、彼は最初から、少しは特別な男だった。身体についた細かなもの一つから始めて、見た目の目鼻立ちまで、平凡なものは一つもなかった。それだけかしら?と様子を見てみると、資善堂の雑草畑を出入りするようなことも、一日や二日、宮殿で暮らした人の様子ではなかった。ヨンへと向けたラオンの目つきが一気に変わった。

目を細くして、食い入るようにヨンを見つめていたラオンが、ゆっくりと慎重に、口を開いた。

「もしかして・・・宦官ですか?」

宦官だと、理屈にかなう。去勢された男の中には、このように美しい男がたまにいるという言葉を聞いたことがある。今ようやく、このように整った綺麗な男が、女人でなく男を恋慕するということが、少しは理解できた。ラオンは、静かな目で、ヨンをじっと見つめた。たとえ、身体で受けたことはなかったとしても、嚴公(オムコン)老人の生々しい描写のおかげで、去勢された男の痛みは、他人よりももっと切実に知っていた。

そんなラオンをじろりと見ていたヨンが、とんでもないと言う表情で聞き返した。

「お前の目には、私がそのように見えていると言うことか?」

「違うのですか?」

「違う。」

「では、何なのですか?」

「お前が見るには私は何に見えるのだ?」

横柄な質問に、ラオンはちょっとだけ目を厳しくして、ヨンの姿を見つめた。そして下した結論は・・・・。

「内侍に見えるんですが・・・。」

 「違う。少なくともそれよりは遥かにすごい人だろう。」

「でしたら、何ですか?まさか、王族であるとでもおっしゃりたいわけではないでしょう?」

とんでもないことは言わないようにラオンが、手を横に振った。ふと、ラオンを見つめるヨンの目つきが深くなった。彼が首を下げてラオンと目線を合わせた。そして、聞いた。

「お前は、私が怖くはないのか?」

ヨンの黒い目に、鋭い気が浸透した。青く先の鋭く刀のように、冷たく、冷めた気運だった。

「怖いか、ですか?ひとつも怖くありません。」

ヨンの冷たい視線と向き合う瞬間、どっと怖気づきそうにもなった。それでもラオンは、そんな素振りも見せなかった。お爺さんがいつもおっしゃっていた。男とは動物のような性情を持った者たちだと。相手が怖気づいていると思えば、もっと甘く見るものだと。これよりもさらに殺気だった眼差しを持った男なら、ラオンはすでに沢山経験していた。雲従街には、目の前の男よりも、さらにひどい男たちで溢れかえっていた。

とんでもないですよ。私がそのような脅しに恐れるとでも思いましたか?

ラオンはヨンへと向けた両目に、力を込めた。

「お前、名は何という?」

ずっと興味深げな視線でラオンを凝視していたヨンが聞いた。

「人に名前を問う前に、自分の名前から示すのが礼儀と学びました。そうされる花草書生のお名前は何でしょうか?」

しっかりとした問いに、ヨンは少しの間、当惑した。

「私の名前?」

「そうです。草花書生のお名前です。」

「名前とな・・・・。」

誰も、畏れ多くも彼の名前を呼ぶ者などいなかった。幼い頃、何度か呼ばれたことはあったが、世子冊封(セジャチェッボン)を受けてからは、ただ。この国の世子、国本と、呼ばれるだけだった。しかし、それは名前ではなかった。それは、支配者であり、世の人から服従される、絶対的な君主を指す、言葉だった。お腹の中にいた時から、生まれる運命は、見えない鎧のように彼を取り巻いた。いつも、世子邸下と呼ばれていたため、自分にも名前があるという事実さえ、忘れてしまっていた。

ヨンの美しい眉が、軽く歪んだ。誰かに名前を明かしたのが、あまりにも昔のことだったからだった。しかし、そのしかめたことを、拒否の意味だと早合点したラオンが、膨れた声で、言った。

「言うのが嫌なのですか?では、私も言わないことにします。」

ラオンは、ヨンへと背中を見せた。その時、後ろから、少し低い声が、飛んできた。

「ヨン。」

ヨンが、ラオンの顔をじっと見つめて、続けた。

「私の名は、ヨンだと言った。イ・ヨン。」

「私は、ラオンと申します。ホン・ラオン!いつも、楽しく生きろと、お爺さんがつけてくださった名前です。」

天空の華のような明るくさっぱりした笑顔が、ラオンの顔に浮かび上がった。自分がどれほど綺麗に笑うのかも気付いていない様子だった。結局、ヨンは、遠いところに、視線をそらしてしまった。

 

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何に見えるのだ?

 

・・・・内侍(ネシ)に見えます・・・

 

こいつっ!

 

てか(笑)(笑)(笑)

読み返してみると(笑)ラオン、宮殿にいるヨンに、怪しみすぎでしょ(笑)

 

「ここがどこだかはご存じなのですか?雑草畑が生い茂っていてよく分かっていらっしゃらないようですが、ここはいわゆる、宮殿です。宮殿。」

「知っている。」

「何か間違って認識されていらっしゃたんじゃないですか?もしかして、よく通っている妓楼と勘違いしたんじゃないですか?ここは、本物の宮闕(クングォル)ということですよ。王様(上監媽々:サンガムママ)の住んでいらっしゃる、宮闕です。」

 

知ってるっつーのに(笑)

あははははは

 

ドラマでは・・

『パンガプタ♥(嬉しいぞ) モンモガ(ワンコロ)』

 

部分ですね~♪

 

 

ようやくヨンが出てきました(///∇//)

三巻のヨンと比べつつ、読み進めていくと・・・もう出会いからきゅんきゅんしてしまう(笑)

昨日最初から読み返したんですがね(笑)

 

どんどこ楽しくなっていきますよん♡(*`▽´*)ウヒョヒョ

そりゃにこっと笑うと最強に可愛いよね♡ラオンちゃん♡ヨンが目を逸らすほどに・・(笑)